_ _
. ´ ｀ .
／ ＼
. , ' i j{ ヽ . ´ ￣￣ =ミ
/ | ハ ,，´ ｀ヽ、
′ ′ /,ﾊ i j/ }ヽ . , ヽ
ｉ i // . |/ ﾊ , ‘. i ／ / / } ‘，
| | 厶-‐‐ヽ ｲ i|_ﾘ_ ‘ }| | . , ′ / ∧ ,′
| | / ≫=ｭ、 ＼ﾄ､ |/ ｀ヽ 八 / / / | /|ｉ | ∨ i
. f^i /〃f:::じﾊ ｀ )ﾉｲ斧ﾐ、， / ′ ノイ i ﾊ 斗/-|{ | /ヽﾄ､_ | i | i
i{(W ゞ ' 弋うｿ》∨Y |{ | ′Y′八{ ＼ヽメ、 | ﾄ､
ゝ-ﾍ , ハ/ ′ . 八 | | y'ｆﾁ斧 ヽ x=ｭ､ | |{,ﾉ ＼
i 人 /‐' 第６話ナンダナ / ＼ﾄ､{ 《弋うﾉ "{じ::ﾊ》|{i 八
| i 丶 - イ . ′ ｀ ﾊ ゞ ' 八 , ' ‘， なんだな
| | ＞ ＜ i| | . ｉ{ ! ｀ ' 厶イ i
| | /ﾄ､ _,ﾄ､ i| | 八 | ヽ _ ｲ | i|
| | ／: :o TT:o: :ヽ i| | ＼{ヽﾄ､ i＞ イ }/ｉ , i{ 八
| |イ: :o: : :/| ﾄ､: :o :〉=ミ | ヽ )ノ /＼≧≦i){ノ}／ }ノ}／ ）′
,，＜＞:.'＼:o／: | |: ヽo/:｀:＜＞／）__ ／ | | | | ／）
. f´ ゝ :´: : : : : : ｀: :.: :.| |O : : : : : : ／／:ーﾍ._ ／） __,， fi´ ﾉ | | ｀ ／／ _ ／）
|: : : : : : : ｉ : : : : : : : :| |: : : : : :.／ ｀こ7: : :厶}／／ / || ／イ:Ｔ:rへ ／ ｀こ7 _ 厶}／／
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|: : : : : :/ |:.: : : : : : : :! !:.:／ ／ソ〈,ノ) / ｉ !::／ ／ソくノ) , ′
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|:.: : : ′: : : : : : : :.:／: : : :.:｀く: : : : : :{ ′ / | {: /三三ニ／ ｀くﾐ三三{ ′ /
|: : : :{: : : : : : : :.／: :＼ : : : : : 〉: : : : :}＿__{_ | Vニニﾆ／ ＼ 〉三三}＿__{_
|: : :八: : : : : ／: : : : : : ヽ: :.／: : : :〈: : : : : : | | ｀寸i／ ヽ ／三「 |
793 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [] ：2012/06/10(日) 16:01:28 ID:MC1Dqnmk0 (3/80) [PC]
┏―――――――――――┓
☆*+―+*☆*+―+*☆*+ AAで語る 中世ロシア史 *☆*+―+*☆*+―+*☆
┗―――――――――――┛
＼ ∩＿＿＿∩ /) ／∩＿＿＿∩
＼ | ノ ヽ ( i )))／ | ノ --‐' ､_＼
∩＿＿＿∩＼/ ● ● | / ／ / ,_;:;:;ノ､ ● |
| ノ ヽ ＼ ( _●_) .|ﾉ／ ，,･ | ( _●_) ミ
/ ● ● | ＼∧∧∧∧／ ¨ ,･ ，彡､ |∪| ミ
| ( _●_) ミ ＜ ｸﾏ ＞ ’ ／ ヽノ￣ヽ
彡､ |∪| ､｀ ＜ 予 し ＞ ／ ／＼ 〉
/ ＿＿ ヽノ /´> ＜ か ＞ / /
─────────＜ 感 い ＞──────────
.／ ／| ＜ な ＞ 〈⊃ }
∩ ∩／ : ::| ＜ !!! い ＞ ∩＿＿＿∩ | |
|￣￣￣￣| : : ::::|::::: ／∨∨∨∨＼ | ノ ヽ ! !
|● ●|:::::::::::|::／ ＼/ ● ● | /
| (._●_.) |:::::: ／ ∩ ∩ ＼ ( _●_) ミ／
|＿_|∪|.＿| ／ （-(ェ)-） ＼ |∪| ／
／ (∩∩) ＼ ノ /
☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆*+―+*☆
〇＿〇
(｡･(ｴ)･｡)
┏∪━━∪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
第６話… 「 モスクワ大公国 …「大帝」イヴァン３世 」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
〇＿〇
(･(ｴ)･｡`)
∪ ∪
しー-Ｊ
まとめブログ「やる夫之書」様 ＜（＿＿）＞
.
794 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:02:09 ID:MC1Dqnmk0 (4/80) [PC]
――― 中世ロシア史にしばしば出てくる用語として、「分領制」という単語がある。
例えばキエフ・ルーシ時代は「分領制ロシア」とも呼ばれている。
ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ
|||
|||
|||
||| 「 分 領 制 」
|||
∩＿＿＿∩ /)
| ノ ヽ ( i )))
/ ● ● | / /
| ( _●_) |ﾉ /
彡､ |∪| ,/＿＿＿＿＿＿＿＿＿E□ﾖE□ﾖ＿＿＿＿＿__
／＿＿ ヽノ /´ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
.
795 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:02:57 ID:MC1Dqnmk0 (5/80) [PC]
――― 「分領」とは簡単に言うと、君主の親族や親戚が治める領土のことだ。
.r-‐i''''''i'''‐-､
o| ｏ! .ｏ i ｏ ! o
.|＼_|｀‐´｀‐/|_/| ← 大公（君主） ――― 大公の治める土地 ―――
/ ● く● |
／ﾞ| ,ｒ ●,,>､ ミ _,..､-''"~""''';,‐-..,
i 彡､'ﾟ∧彡‐∪‐ミ､｀＼＼ ｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
j / __(＠) ヽノ /´> ) ヽ-v‐ -、 ,__,,..．-‐ '''"" , -'" ｀`丶､.
,ﾉ (＿＿＿） ,/:::(_／..... > ::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
ノ ...... .:::| l:l /:::.. ... ヽ／ ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
... .::| l:l／＼ ＼::. .. . /ﾞ ...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
∧_,、 ..:| ,j:l ..:':':. ) ):: ノ. ', "ﾞ
ゝ-∪_l:ﾄ'⌒-（ ＼ー 、< _,,.-‐''"_,,ﾞ
ll ＼＿) __,,.. ．-‐'''""~ ,,.. '''
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ ← 各地の公（君主の親族・親戚たち） ――― これが「分領」 ―――
/ ● ● |
／ﾞ| ( _●_) ミ _,..､-''"~""''';,‐-..,
i 彡､'ﾟ∧彡‐∪‐ミ､｀＼＼ ｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
j / __(＠) ヽノ /´> ) ヽ-v‐ -、 ,__,,..．-‐ '''"" , -'" ｀`丶､.
,ﾉ (＿＿＿） , /:::(_／..... > ::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
ノ ...... .:::| l:l /:::.. ... ヽ／ ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
... .::| l:l／＼ ＼::. .. . /ﾞ ...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
∧_,、 ..:| ,j:l ..:':':. ) ):: ノ ', "ﾞ
ゝ-∪_l:ﾄ'⌒-（ ＼ー 、< _,,.-‐''"_,,ﾞ
ll ＼＿) __,,.. ．-‐'''""~ ,,.. '''
――― 分領を治める「分領公」とは、単に土地を持つ貴族ではなく、
あくまでも「大公位を継ぐ資格がある、大公の親族・親戚たち」である。
.
796 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:03:41 ID:MC1Dqnmk0 (6/80) [PC]
――― 行政機関が未発達な頃のルーシでは、広い領地を守ったり税金を集めたり裁判をしたり・・・といった「行政」は、
自分の兄弟や息子、それに親戚たちを派遣してやってもらうしかなかった。
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ/⌒)
/⌒) (ﾟ) (ﾟ) | .| 「官僚制度」？
/ / ( _●_) ミ/
.（ ヽ |∪| ／ ナニそれ、おいしいの？
＼ ヽノ /
/ /
| _つ /
| /UJ＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
r‐ ' _ノ 広いルーシを治めるには俺の子がたくさん必要だっていう。
/ﾆＹﾆヽ ＿ ) (_
/ （0)(0）ヽ （⊂ﾆﾆ⊃) 俺には（分かっているだけで）１２人の子供がいたが、
／ ⌒｀´⌒ ＼ ｀二⊃ﾉ
| ,-） （-、.| （( ￣ 好きで作ったわけじゃないっていう。
| l ヽ＿＿ ノー┼¬Ｕ
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽ つれーわー、夜は子作りで実質２時間しか寝てないわー
/ ヽ
| | | 実質２時間しか寝てないからつれーわーｗｗｗｗ
ヽ_| |丿
| |
「聖公」ウラジーミル１世
798 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:04:13 ID:MC1Dqnmk0 (7/80) [PC]
――― 大公や公は、自分が死ぬときには息子たち全員に領土を分割して相続させた。
こうして多くの「分領」である公国が生まれていった。
＜Before＞
［現在の大公］―┬――［長男が次の大公］
.|
.├――［分領A］
.|
.└――［分領B］
＜After＞
［先代の大公］―┬―――――［現在の大公］――┬――［次の大公］
. | |
. | ├――［分領E］――［分領E］
.├――［分領A］――［分領A］ |
. | └――［分領F］―┬…
. └――［分領B］―┬―［分領B］―… └…
|
.├―［分領C］―┬…
.| └…
.└―［分領D］―┬…
├…
└…
――― 増えまくった分領公のみなさん ―――
∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩ ∩＿＿＿∩
| ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽ | ノ ヽ
/ ● ● | / ● ● | / ● ● | / ● ● | / ● ● | / ● ● |
／ﾞ| ( _●_) ミ| ( _●_) ミ ( _●_) ミ ( _●_) ミ ( _●_) ミ ( _●_) ミ
i 彡､'ﾟ∧彡‐∪‐ミ､｀＼＼ 彡‐∪‐ミ､＼＼彡‐∪‐ミ､｀＼＼彡‐∪‐ミ､｀＼＼彡∪‐ミ､｀＼＼彡 ∪‐ミ､｀＼＼
j / __(＠) ヽノ /´> ) ヽ-v‐ -、´ > ) ヽ-v‐ -、> ) ヽ-v‐ -、> ) ヽ-v‐ -、 > ) ヽ-v‐ -、 > ) ヽ-v‐、
,ﾉ (＿＿＿） , /:::::(_／... >_／.... > ／..... >／.... > ／... > ／..... >
ノ ...... .:::| l:l /:::.. ... ヽ／. ... ヽ／ ... ヽ／ ... ヽ／ ... ヽ／ ... ヽ／
... .::| l:l／＼ ＼::. .. . /ﾞ ＼::. .. /ﾞ＼::. .. . /ﾞ＼::. .. . /ﾞ＼::. .. . /ﾞ＼::. .. . /ﾞ
∧_,、 ..:| ,j:l ..:':':.. ) ):: ノ:.. ) ):: ノ ) ):: ノ ) ):: ノ ) ):: ノ ) ):: ノ
ゝ-∪_l:ﾄ'⌒-（ ＼ー 、<⌒-（ ＼ー 、 <-（ ＼ー 、<- （ ＼ー 、<- （ ＼ー 、<- （ ＼ー 、<
ll ＼＿) ll ＼＿) ll ＼＿) ll ＼＿) ll ＼＿) ll ＼＿)
.
799 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:04:50 ID:MC1Dqnmk0 (8/80) [PC]
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――――┐
｜ こうして増えた「分領公」が統治する「分領」は、普段は独立国と変わらない。 ....｜
└―――――――――――――――――――――――――――――――――――┘
――― それでも最初のうちは、キエフ大公に任命された者が派遣されていたので、
まだキエフ大公はルーシ各地の分領公を従えることができた。
.r-‐i''''''i'''‐-､
o| ｏ! .ｏ i ｏ ! o
.|＼_|｀‐´｀‐/|_/| おい長男よ、ノヴゴロドいって治めてこい。
/ ● く● |
／ﾞ| ,ｒ ●,,>､ ミ
i 彡､'ﾟ∧彡‐∪‐ミ､｀＼＼ 上手く治められたら、俺の後継者としてキエフに呼び戻して
j / __(＠) ヽノ /´> ) ヽ-v‐ -、
,ﾉ (＿＿＿） ,/:::(_／..... > キエフ大公を継がせてやるクマ。
ノ ...... .:::| l:l /:::.. ... ヽ／
... .::| l:l／＼ ＼::. .. . /ﾞ
∧_,、 ..:| ,j:l ..:':':. ) ):: ノ.
ゝ-∪_l:ﾄ'⌒-（ ＼ー 、<
ll ＼＿)
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ 分かったよパパ！
/ ● ● |
／ﾞ| ( _●_) ミ _,..､-''"~""''';,‐-..,
i 彡､'ﾟ∧彡‐∪‐ミ､｀＼＼ ｀ﾞ''ｰ-､,__,,..-‐''"'''- ．_,,..-‐''~"~"'''''‐-
j / __(＠) ヽノ /´> ) ヽ-v‐ -、 ,__,,..．-‐ '''"" , -'" ｀`丶､.
,ﾉ (＿＿＿） , /:::(_／..... > ::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''.:i;;:;: :::∧二ヽ;;:;:.∧二ヽ;;:i;;:;:..
ノ ...... .:::| l:l /:::.. ... ヽ／ ...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:.il.::::::::::l:ｌl＝ｌll:::::::l:::l:::::::l::.:il::.:....
... .::| l:l／＼ ＼::. .. . /ﾞ ...::..:..:..::::..:..::.:..幵幵幵||:::.:||幵幵幵幵幵:::..:...
∧_,、 ..:| ,j:l ..:':':. ) ):: ノ ', "ﾞ
ゝ-∪_l:ﾄ'⌒-（ ＼ー 、< _,,.-‐''"_,,ﾞ
ll ＼＿) __,,.. ．-‐'''""~ ,,.. '''
.
800 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:05:30 ID:MC1Dqnmk0 (9/80) [PC]
――― しかしやがて分領公は、現地でリアル・シムシティをやってるうちに、もう土着の豪族と変わらなくなる。
∩＿∩
r'（ ・(ェ)・） ＜ 住めば都クマ
| /::::::ハ:::i ∧ ∧ ∧ .∧ .∧ ∧
| ｀─､:::､::ヽ [::::::::::∨[:::::::::::∨[:::::::::::∨[::::::::::∨[::::::::::∨ [:::::::::::∨
||´￣||＿）__） （(ェ),・|| （(ェ)・|| （(ェ)・,|| （(ェ)・||.（(ェ),・|| （(ェ),・ ||）
￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣| 〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Y::iＯ〈_j:Y:::iＯ〈_j:Ｙ:::Ｏ:〉
￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣| l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l::::,:::::||:l l:::::,::::||::l
￣￣￣￣￣|￣￣￣￣￣￣￣￣| （＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_||_（＿ﾊ_|| （＿ﾊ_||_,）
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
――― そして「分領」の経済が発達して自立できるようになると、
本家であるキエフ大公国にまったく従わなくなった。
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ/⌒) あばばば
/⌒) (ﾟ) (ﾟ) | .|
/ / ( _●_) ミ/ ∩―−、 好き勝手に生きるクマー☆
.（ ヽ |∪| ／ ／ (ﾟ) ､_ ｀ヽ
＼ ιヽノ / / ( ● (ﾟ) |つ
/ / | (入__,,ノ ミ あばばばば
| ∩ / ､ (＿／ ノ
| ／＼ ＼ ＼＿＿＿ ノﾞ ─――､
| / ) ) ／＼ ＿ ヽ
∪ （ ＼ （⌒0 ／＼ ヽ （＿ﾉ
＼,,＿） ｀ヽノ / ､ ）O
.
801 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:06:07 ID:MC1Dqnmk0 (10/80) [PC]
――― こうしてルーシは１２世紀頃になると、
本家のキエフ大公国や分領である公国どうしの、仁義なきバトルロワイヤルが始まった。
＊ ,
∧∧∧, ',
〈〈〈〈 ヽ，,･
〈⊃ } ',∴ ∩＿＿＿∩
∩＿＿＿∩ | | ､･∵ | ノ --‐' ､_＼
| ノ ヽ ! ! 、 / ,_;:;:;ノ､ ○ |
/ ● ● | / ，,･_ | ( _●_) ミ
| ( _●_) ミ／ , ',∴ ･ ¨彡､ |∪| ミ
彡､ |∪| ／ ､･∵ ' ／ ヽノ￣ヽ
/ ＿＿ ヽノ / ／ ／＼ 〉 ∩＿＿＿∩
(＿＿＿） / / / . | ノ ヽ ⌒ `
/ ● ● | ⌒ ヾ ﾐ ｀
／| ( _●_) ミ ヽ ヾ.
彡､ |∪| ､｀ ヽ
/ 〃（"`ヾ ヽノ ヽ`ヽ ﾌﾞﾙﾝ i ,i
ゝ､ ヽ ◯ ﾌﾞﾙﾝ i
! ゝ｀ ◯ （⌒) 〃
/ ／(⌒） ヽ' ヽ / ,〃
ヽ | / ヽ ヾ ﾉ ヽ ／／ ﾉ
ヾ (ΥＹ^) ﾞ､ ~ ＼ ／／
|::::::::::::::::::::: .>' ヽ ／ ﾉ
|i＿＿∩::::::::::: ノ /ヽ ｀ ヾ ＼ ／ ｿ .ﾉ
| ,,.ノ ヽ､,,ヽ::::::::::: / ヽ∩ヽ ヽ
| ● ● |:::::::::::::::: 丶 ヽ (_／彡 (~●￣) ミ＼_ 〉 ／／
| (_●_) ミ 駄目だこりあ！ ＼ | ○ ○
| |∪| ﾉ:::::::::::::: ゝ ⊂ヽ＿＿＿＿＿つ
| ヽノ i::::::::::::::::
ミヽ＿ /::::::::::
| ヾ /::::::::::::::::::::
.
802 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:06:47 ID:MC1Dqnmk0 (11/80) [PC]
―― ┼ | ‐┼ __l＿ / | ‐┼〃 | ヽ
|/´｀ヽ .l __| | ｀） l ,__| | |
（＿＿_ /| し | (__jヽ | | (__jヽ .し
…そう思ったのが、領土を増やしまくりんぐの「大帝」イヴァン３世である。
＿ __
, -'´.:.:.:.:.:.:.:.｀ ＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ_
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ 親族や親戚に領土を統治させる「分領制」は、
r´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ､
i(ｒ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,､_ﾂ､::.:.:.:.:.:.:.:ヽ 国家の中に国家を作るに等しい…
ゝ:.:.:.:.:.:.:ヽ､__ﾌル'_,- ､' ､:.:.:.:.:.:.:.:} ,
ﾐ彡:.:.:.ﾐゞｰヽﾋｰ'´_=≠ﾐ ヾ.:.:ﾐ:.:.く
ｰ,:.:.:.ヾ,_,ﾍﾊ`ー´`ｰ'´ ',:.l'ﾍ:.ゝ この弊害を減らさないと、
ﾙ:.:ﾚ r‐ｨｯ{ ﾞ' ￣￣ |ﾘ !:.ﾄ
ヾ:.ﾍ `´/ﾋ.ｰ=ｧ ﾄ_ノ:.:i! モスクワ大公国はいくら領土を増やしても
ヾﾍ ﾞ`ｧ＿ || ',:.:.)
｀ﾍ. i'´二 ｀ ,ｲl i:.ｿ キエフ・ルーシ時代と同じ過ちを犯すだろう…
ゝ､ ∠ /l li ＞ ､.. _
ilヘ ＿ ｲl/ //l ||lミﾐ ､ヾ､≧ー─ー=＝ュ
／ﾍ三_ ﾆ __ i/// l |/i三ﾐﾐ ､ゝﾐ三三二 ／
_ ... -≠イ ∨/､_,_,. 丶`ｰV// ,|/∧ ∨ﾐ,､ ｀ゝﾐ,ｨﾁ´ｪ.._
ﾋｰ='' ´ 彡ｼ´ ﾐ∨ﾉ ..ィﾍ:: ＼`ヾ`､ ｲ ', ∨彡,ｨﾁ´三ニニ≧ ＿ ,y;
_ -‐= ≧=ｭ。.._≠ｲ ,ｲﾐV,ゝ'´ rｲﾊ.: ヾ ` ｀ｰ､ニ_＝V三≧x＜_三三三三ﾐ;;ゞ/
∠´ 〈///////三ニ≧ｭミミ/::;: .:::ゞ､ﾍ:: r = ´, ｨ`x.{三＝ 三二ﾆ ＜∨彡;;ゞ´ヽ
( ＿ ＿＿｀＝≡≧…丁三シ ;;: ..::::::｀"ゝ､ _ /,'´ ／:.... -=≧ｰ--､三三(_) ﾉ/彡ﾞﾞ゛'; ',
冫￣ |≧≠二三≫ｲ´ ;;:.,, :::::::／ヾ i::./:::::::,´:...／::...／´ ンー-く--〃__ j }
.
803 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:07:19 ID:MC1Dqnmk0 (12/80) [PC]
――― こうしてイヴァン３世は、他の公国（元は分領）を併合しまくりながらも、
さらに口実をつけて、自分の弟といった親族の統治する「分領」の特権を奪いにかかった。
＼.:.::. ::.::.::.::. ,:::.::.::. ..:.:.:::::::::::::::::::::.. .:::.
資 土 て /⌒:: ､ ) ）ﾉ人 ) (r r ,:..:::::::::::::::.. .:::::::.
ゝ:: ,} ｲ }///r /) ） } } { ,.:.::::::::::. .:::::::::::
格 地 め 〈: : /(（_ノｲｲ({｛,rノノｲノｲ,.:.::.:::. .::::::::::::::
/:: 人ミミ=-)ノ/ﾉ)) )）ミ_彡.:.::. .:::::::::::::::::
は を え 〉: {{ミ=ｲr≧=｛{{_,ｨ≦{ミ=彳 . ::::::::::::,:::::::.
｛.:: ミ彡〈 t何)巛r何> 〉ミｼ.:.:.:::::::::::/＿::
ね 継 ら ＼...::ミ,/| ⌒rｲｭ 彡 !r}ﾐ.:.:.::::,ｲ ,/ ⌒)｝
/:: ﾐヽ|. ,rrrｍ､ .|/ミ ／//{ ∠/
え ぐ に /:: : : ミﾄ、にニ二} /{〃く,／<r‐ゝ ,:::
{ :＿, イi. ＼ ミ=ｰ／ jト､_ /} / /:::
// ／ 彡/ ヽ ー ´ ／｛ // 、/{ ,人:::
〉,・・ ,. -―／ 、＿/-―ゝ-ミ彡´―‐ゝ-ﾚ､ ＼―‐-
_ノ⌒ヽ ／ ﾐ｝ { r癶 ﾄﾍ ｀ミ くヽ
:::.:.. ／ /{_, ／ ｰ=- r癶 | ＾⌒ ＼＼ }ﾉ
::: : / / ￣ ‐=ﾆ=- -=― ⌒ 、| r j癶、 ＼＞ ´
: : /_,ｲ}彡ｲ 彡 } | { ⌒´ ｰ=ﾆ=-
:: ｛彡/⌒ヽ=三彡 ,,.. 彡´ ノ人ヽ ﾄ､ r彡彡
／ミ ' /´ ＼三彡彡 彡 ´ '―' ｀ ミ ＿ヽ｝_r彡彡彡
{{ ＼､ノ＼三彡 ´ ＿彡＾ミゝ､ ,ｲ ﾄ､ r‐
‐=- ゝ_ノ乙 ,ｲ ／｝ 辷ｉ} ＼ { {_ノ} } ）|
⌒ヽ√ 〈 {_ノ} ‐=イ / {i ミミ＼ ｛ ﾚ'/⌒.
,/彡／Y⌒r-､ミ{_ ,. -―‐辷}―‐- ､ 彡｝ {ノ /､＿
ヽ、 〃 ／ / | }-､ -=‐ {i ｨ彡_/^Y⌒ゝ､
ー彳_/ ｲ }, ） }､_ノ乙 _辷ｭ＿＿ ,ｲ:| | |
-=- '⌒ヽ / / ) }ノ￣ 丁´ ミ |:| { { r ヽ
,／三ﾌ彡 ／ ／／,ノ-＝＝ミ彡＝＝- |（ （ ＼
/三三{_彡 ／ 三三三三三三三ｰ { ヽ ＼ ヽ
｛三三=ヽ ＿_／ -三三三三三三三三ｰ｀ヽ､ ヽ
ミﾐ＼=三三＞― ´ -三三三三三三三三三ｰ Y ー―
￣￣｀ ― ´ / -三三三三三三三三三‐ ニ }
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805 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:08:02 ID:MC1Dqnmk0 (13/80) [PC]
――― イヴァン３世は弟たちが子を残さずに死んだら、これまでの慣習を破って「分領」を大公領に没収した。
するとまだ生きている他の弟の一人が、イヴァン３世に反発した。
,,､-ｰ ―- ､,
,､ '" つ ｀ﾞ' - ､
／ と ヽ, たとえモスクワ大公の兄貴だろうが
／ "" ｰ ヽ
/ ,ｨ rニ ', 俺たちが親父から継いだ分領を
,, ,'/lrﾚ"(ﾞ（"（ l
/:| ,'| （,,（ﾞ,,r--ｰ―-==;z ､ r､r､ | どうこうする資格はねえぇぇ！
/.::| ,'lﾞﾐo 〈" :,,､-ｰ ､;;Y /:|｀ﾞ''ｰ､ノ ﾉ .jY､ |
|:', / ::::| l|ﾞﾐｏ ヽミ::ﾞ' ﾞﾞｰ-ﾉ :/ /::,､;;; ､｀' ､ｿ ノﾘr }
|:: ',. / :::::::| lヽ(｡/-yｰｰ-ミﾆ;;"ノ', :}::ﾞ -穴,,ﾞi,l::::ﾞl"彡 ﾘ 分領は俺様の独立王国だぁ〜！
|:::. ', / ::::::::::| ,':::| |::::: | ､:::| ,,､::〉:::::''ｰﾞ'､''- ､;;彡'",,,／ｲ
|;;;;;,,', /::::,､- ､| ,'::::| |: l| l: | | l:: |;;/ :/ r,ｧ":::｀ﾞ＞ｰｰｲ) ,, ｲ /ｌ
|;;;;;;. ', ,,''ｰx三＝､-＼' ::::|ll| |;|.l |;;| l: |;;;/ / ./;;/ / /ﾌ::: ::イ:::/ /::,'
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/ ／ノ',／:::::::| { .::j-彡"::ノ::l|:: l'':::ヽ|:ヽ;|;| l /;/ ,／/::／/／|ｲl|::/ /::::| /:::::::::,'
j／ :::', ...::::| ::' ､,,,,,,,,,､-'===彡'"::/::: ',::::::::::'ｰ-､ﾞ::::::ﾞ''::∠／;;ｨ'": //;;|ﾉ ./::::: | /:::::::::/ ／/
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::::::::ｲj:{::::::;r'Y'" | :::::::::::::ﾉﾐ: |:: /:::::..,､- '''ｰ､ヽ :}}､:::::::''",､ ''""彡 ::'" /｀'､/::::::::: |/::::::::: / ／:::: /
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｀'ｰ､ ,r':::,r'' '"´￣ | ＼〉"彡" 彡 ::'" / 〉 ｀ﾞ'／:::::::::::/
彡"" :: l| /l| ／:::::::::::: /ｰ､
――― はっきり言って空気を読んでいなかった。
イヴァン３世の目標は領地の扱いがどうというより、君主と政府による「中央集権」だったのである。
.
806 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:08:49 ID:MC1Dqnmk0 (14/80) [PC]
――― そしてタタール勢力と戦うイヴァン３世からの、援軍の派遣命令を拒否。
,.r=＝:､
,ｸ::::::::::::ヾ
,r=-=､'|:::::::::::::::,!|
,;':::::::::::::ﾊ;､_::::_,.ｨﾉ^! _,...........,__
|i:::::::::::::::,ﾘ^ ''''," l! ,.ｨ'" ...:::;;;;;;;;;;;~`:;、
ヾｰ-‐彡,. ィ" ! ':, / ...::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
＼ :ハ '、 ':, | ,rrｪヒﾐ〈;;;:リﾅナｸ,;:l! 弟より優れた兄など
＼ '､ ,:'､ ':, !斥ｙ'r｡xﾂﾍ '･`,,,ｼﾐ;:;;:|
＼ゞ '" ::ヽ ':, |ﾄﾆ斗ﾃi"| :;ﾌﾊｺ=7-i;;| いるものかーーッ！
ヾﾄ､ ::::ゝ i :|::ll::::l!:|l|ﾊ::;;| | ! !| li ,l、
`ヾ-'" : ::|^y'ヽ、 |ﾄ|!:::l!:||ｋｷ;|干!,!,!ﾉﾉ:,!;l
`yr'^! :::〈 ミｼ|、 ,';, !|ヽヾヾﾄ'＾"~'' ,'' "//;;;;'、 タタールども相手に勝手に苦戦してろ！
r'" ﾍ ﾍ、:::二;;;;ﾘ /:;;| ,r'-:ゝ ,ｨ;' ,.-...,,;:,,' /l::::;;;`
ゞイ..`,.＞'"ﾘ、/ -'ー-'ﾐ ,:':;/ヾ､ .,,. ,,_;:' l!
`t ゞ.-'" ｙ;;!ｒｰ'''''''ｰミ::`:'";;,' `:;､ :;;: ,;' .,!
〉 〉.-‐"ﾉ^:, ^:､ ゞト､ :,! ':;;, ;;' '"!
,!＾ヾー‐‐'"ゝ;;;ヽ'"~`ヾ､ `ﾄr=ミ:;､ ! ':;; ; : |
|ﾊ;;;;;ミi'"~;;;;ﾘ;;;;;;ヽ、 `､ :ﾊ い `! |
'!ﾊ `ｰ'-'''";;;;;;;;;;;;;;;`､ :!:::::i､..,,_ﾉ ::;
!ヾ;､` .....::::::;;;;;;;;;;;;;;;i ﾚ!
,ｨ' ゞ=;!: : : : :::;;;;;;;;;;;;;ﾘ､..,::; ; i
;! ` l|: : : : : :;;:::;;;;;;;;;!;;::''"ﾘ,!
| ', `- ;! : : : :::;;;;;;;;;;;;;!/ ;: /
ヾ /:::::;;;;;;;;;;;;;;;;-''",!_,.-'"
ヾ;:/ ノ
`-^ト ､ ,r'"
807 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:09:21 ID:MC1Dqnmk0 (15/80) [PC]
――― もう反発ですませられるレベルを超えており、イヴァン３世にとって国内に敵を抱えるのと同じだった。
,,",,,;''"",､ '""ｿ ;;;; ノ| ヽ,,,,,ﾉｰ'"|
ノ（__／ﾚ､／（ /''r'. ﾘ"／,r''~')／ ）" ,､-'"L／| / /ヽﾉ ヽ-"|
'"" "（ ,､-' r'"'''ﾉ ,､-ヽ,r"::r 'trヽ::" ／ // //ｰ' 露 （
了 :::;;;､-ｰ'"",､-''ヽ／'"ヽ,,ン ,r'"､,/'"ﾉ:" ／ //／) ┃ 西
か 速 こ. ハ / ,､-'" ,,,,,,,,､-'" ;;;;''")ヽ,､-'ｰ'''" ,,シ"";ﾉ ／ ／| / ,ｲ）. ┃ 亜
わ い の ハ | ,,,､-'"::;;;､='''"::";;;;" :;;ｿ:::::::ヽ: t;;;;;;<彡ヽ ,､ ' ,r''" ,r'" ﾉ /,r"| ／|. ┃ 神
せ 突 お ハ t r'":::''" ::::: ;;ヽ;:::::::::::::''":::: tt;;;;);;;;､":" ,r' /ヽ:::) /: |. ﾚ"／ ┃ 拳
る. き れ / （､; ｿ,r''""" ::::::::::;;;ヽ;::::''''""ヽ;;;;rﾆii~~ :::: ７ /,,,,ﾉ:/,ノ､,,ﾉ ／/. ┃
か が さ ・ / ﾉ::ii ::" ;;;::::::::::~'､t;;;;;;;;;;;;;;;;ノ 'ｰ|ﾚ:::''" |／:::::"/":::／. |:::）. つ 羅
| ま. み /:::/／'''/"r''ﾘ::"::::::::::::;､'''""''ｰ､;; '､- '' """;;''' ､ :::::::::／ , |:::） // 漢 （
っ. の ろ （:／:::::／／''り::"::::::::::/ ,r";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ :／.／''./| |::/ , ・・ 撃 r'",,,,,
// お （ ::／::ヾ''／" ''"::::r" /|,";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', 〈 //. / | |ｰ￣ﾉ／⌒ヽ|ヽ⌒ , 'ヽi~
.・・ ヽ:::::::: :::::／": '" ;;;'""'';;,, /:::|i|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,i)i)i）､;;;i |／/ |:::i| //〉 ／|／| ） r' ノr
,,r､ ＿/~~ ''::::::／r'"t:::: ;;'"~~ヽ:::":::/:/||itttt､;;;;tzｯｰ''")ﾟ｡彳i ）/|::::ﾚ//／z| ||. /､ ヽ,, ｀''"ﾉ
ﾉ"'t ,r､/:::::::::::::::"／r'L ﾉ":::::""''ヽ, ヽ〈;/:::||';,ﾐi､､､,ij,t-ｰ彡〈ﾟ〈;;;t|;､ |/,|:::;r",,､ｧ. 〉|/ |/::､t''""{;;;; ( ,r
:（ rヽﾚ''{ii Y''r''､::::::::::::" :::::;;;､-ｰ' ::::::::: i人, t/:::::||ﾆ'tiT而|円同|;|| /"'ｰ|:::､,､'",､" ,/:::/. /~ヽ ::: ||ｰ'"ﾉ:::ﾘ ~ヽ
:::ヽt-~'､t {､,t ヽ~'ｰ=ｰ'''" ::::: :::::::::: ﾉ' ﾘ' ﾘ~'''':;r't､i.|||.|;|t;||;|/ﾐi i',､-ｦ|:::::,r'" ,ri. i:::/ 」::,､ﾉi,,,, :: t :::::::::ﾘ:: , '
:::i tｰ ',tﾘ i|'''''{~'ヽ'､"':: '''';;;::: :::::::::: ｲiヽり|ﾚ｀''t-''tt'-'" )"));;/'|;;;;| ／/. j:/,／::/. /／(:ヽヽ､::::i |:::::~''
: :::ﾉ:ﾉ::::::}ｿ'''y'-､,〉- ﾘﾐ :::: 'ｰ､.... ;;;;:::::....... りﾐ,Ｊソﾉ""''ヽ|i::"''r''"彡/'"~,,:|／:::/／ |",rii i // / ::: ﾘ"'ｰ-､::"
::/／:::::::::ヽ/ ,r''ノ､,, i'ﾐ ::" ::::::::::.... ''';;:::／:::ノｿノ "::/::'"" ヽ彡/~'' ､';;":::::/"／|r'" 〉|//／ ::: ﾉ:::::::::~''-ｰ
ii::i:::::::::::::::::; -､" ,r', ' ,,,,,（"""Y⌒ヽ:::::::::::::''"|;;;r""::::r｀'ゝ:::/ っ"Yﾘ /~''-" ;; r" / ,, / ~'ｰ､:::::
it:::::::::;;､ｰ''i ヽ' /::r""''tヽ､,,,,,t､,,,,,Y'' ､;;'''"/;;;;'''" )":::ﾘ '"ヽ' | /|::::tiit ミﾐ／ //. / ..::: .::::::::::rｰ''"~'
::｀::ヽ（::｀'''',ゝ'"iiﾉ:::::'ヽr'' t:i| 〈 ~' t;;;; ~'i::彡" ::::i: |,/:|it '''t:::>'",r/ //. / :::::: :::::" ,､-ｰ ' ､,,,､__
808 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:09:56 ID:MC1Dqnmk0 (16/80) [PC]
＼ /
＼ ＼ 丶 / / ／
＼ ＼ 丶 i | ./ / ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i | / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i. | ./ / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i. .| / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i | / / ／ ／
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809 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:10:28 ID:MC1Dqnmk0 (17/80) [PC]
_ ,.ﾍ
>` <
く／ヽ>
＿r┐__
'‐┐┌‐'
lニ コ | あ
|__| ＿＿ j ぷ
ﾛﾛ/7 ,,､- '"´ ｀｀ﾞﾞ'''{ ぱ
,､//:::::::::::.....|ヽ::ノ::/:: ,, ） //
,r''..:::::::::::;;;;;xｰｭ､::}:::::ll| // :｀ヽ ・・
/ ..:::::::::ｨ'_,ｲ,,,ｨ".l ｀ﾞﾞ'''ヽ||| ::::ﾉ'⌒)_,,,,,､-'
､,, | ::::,､-'t､ゝ- '''""''ｰ |;;l|:／ | l| :::ﾞ､ ::::::
｀｀ﾞ '''''''' '''''''''"::''ｰ､ lﾚ':::ﾘ / ﾘ ',,,l~ﾞヽ､ﾍ
...::::::::ヽ :::::l||::X/ ノ / 彡Y| |:: ヽ:::: .
.......:::::::::::::::::::: } ﾞ'ﾞ::/ ナ " '}} ､',ヽl } .
::: ::: : ::::::::::::::::: ｲ,,,,,,,,,＿,､ '"ノ,r,r;､-< l}:}ﾉ l|
:::::::::::::: ,､-''''" ﾞ'''ｰ-（::イ llノ/__,ﾟ ﾉ ,彡ﾘ ﾝ〈::::
::::::::::: ,､ '" : :＿ﾞ' ､'''ｰz彡ン=＝ '''' ´ 彡ﾉl|ﾞ''";;;
::: ､ '"（(ﾞlﾞ'ｰ(c ,＞'ｰミｼ彡 S＞'''＞ｰ､ 〉;;;;;;ﾐ
,､ｨ"::: ',Yt ｀ﾞﾞ´''"::（ (,,,,ﾉ'''彡彡ｼ~ﾞ'､;;;ヽ从;;;;ミ
'" :',Ｏ ',tヽ､,,,__二r''r≦彡天彡"~ﾞi::r''〉､;;;ヽ;;;;;;ミ
::::::::ヽ::::.. '､ヽ､入ﾐ,,,ヽヽﾞﾞ'i":::::::::} ::ﾘ::{=| ヽ;;;;ヽ､ミ
彡 〉､:::::..ヽ､l| 从从ヽ',::{⌒'''''l :::/::('-j ヽ;;;;;;ヽ
/;;;;ヽ○::: l|il|lﾘﾘj||;;;ﾞllﾐ'､ ｲ_r,,ノ 从;v､;;;;
／,,､-ﾍ;;〉､::::::〉从,,ﾞ ﾘ;;;{.'､::'､__,,,ﾉ''",,､ ｼ ミ;;;;;;;;;;
ノ;;;/｀ﾞ''l|ﾘﾘ 从|;;;;t ﾞ'",,､-''"''" 从从ミ;;;;;;;
／:::/ ﾞ' ､从从|;;;｀ﾞﾞ"´,;l|从从ﾞ'ｰ､从从ミ
――― ついにキレたイヴァン３世に逮捕され、そのまま獄死した。
そして彼の「分領」の多くが没収された。
.
810 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:11:03 ID:MC1Dqnmk0 (18/80) [PC]
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
_ -‐──‐ -- ､
-─- -─-､ ｀ ､
. /´ ＼ ｀
. ／ ､ ヽ ヽ モスクワ大公国の基盤は、
／ / ｜ l | ､ ヽ ﾊ
/ / / /| l,ｲ ｜l ヽ ﾊ ' 「大帝」イヴァン３世の時に作られるの。
// { /! |ﾊ! /,ﾊ ! i ｜ ､ヽ
i｜ l l 从ﾉ | l ｿ/!ヽjノjﾊ } ヽ＼ !
l｜ ! |/ｨ芹ﾐjﾉ /ｲﾉ ィ≠ミﾊﾉ | トヽ l それは単に領土を広げただけでなく
j人 l ﾊ｀弋ｿ ノ ﾄ以}ヽl ! | ヽ､
ヽﾄ､ |:: 弋ソノ ! / ﾊ ! | 国家の制度そのものに踏み込んで、
/ ｀ i ｀ / ノイ jﾉ i ﾊ
. /ｲ .ゝ ､ , ムイ ! l 中央集権をすすめていくのよ。
,/ ! i: ＼ ,.. // ./ ﾄ !
. j八i ／l { ｀ｧ =r≦ ,.-'ﾄ! ／ ﾊ | }
ヽﾉ j八／{ﾉ「T7'´ |ﾊ ／i ／ jﾉjノ
,.-─ｧr‐‐'´ !l | __ j.八ノ'｀‐jノ､ この「めざせ中央集権！」は、
ｲ i ! ／ヽ <＿＿_〃 ／⌒ヽ
/｜ /⌒ヽヒ匸 ><: : : : :/ / } 後継者にも引き継がれていくわ。
! /／￣二ﾌ::/ ＼: :/ !
| ／ ム-‐ｧ' ＿｀´ / V ,
／ ／⌒/,.イ´::/::ヽヽ / V |
. r .イ/ : : ,::::::::::::/:::::::::＼{ V
/| ‐rく::::::: :∧: i:::::::::/:::::::::::::::::| 〉
／ ＼
/ ／ ヽ
/ / ／ ｨ /i /1 、
/ i / ∠ﾑ/_ | // ! i
,' | i |/ ﾚ ﾄﾊ／ｲﾊ.| |
, /^ﾚ| kｨぅ卞ｚ, 乂| /ト|、 ｜
, { ｒハ |弋シ ﾘレｲ_. | `/i | 「一国一城の君主」としての地位を失った
/ ヽｒ- ﾍ ! 辷癶,| / ﾘ
, |! ﾍ 、 /ﾙ
/ ﾄ 、 ＼ ｒ‐ ｧ / 公たちはどうなるんダ？
/ |i: : :` ｖ＼ ＿ -‐'
// i |⌒: :-［ ￣
イ | |: :/￣￣:.ヽ、
i i ! |/: : : : : : : : }
| | 人! : : : : : : : : 7
| | i i { |: : : : : : : : : 入
|ﾊ ! | |ﾊ |: : : : : : : : :,': oヽ
|:.ヽ! | | .ﾘ: : : : : : : :/:.:.:.:.:.:.i ＿＿ ＿ ＿_
|: : ヾ j ﾉ: :!: : : : : : ::∧:::::::::ノ {////У ｀ ´ ｀ｘ≦７７７７
∨/／ ∨//////
У / / ヾ'///,/
, ′ ′ / / i ＼,ハ
ノイ i: 厶 ! /＿i }
|{ | /ｘｭ､乂{ jノ｀メ､ i i
領地経営だけで食べるのは大変だから . 八 |ﾊ《frj ｀"斧ﾐｘ Ｙ !| |{
＼{ ﾋﾘ 弋:ｿ j}′ 八{ 八
モスクワの宮廷で「大貴族」として勤務よ。. / ヽ ｉ ' 厶イ / ‘.
.′ |i人 r 、 ノ / !
八 i| } 丶 _ ≦ / / / ｉ 八
後には群れて宮廷の厄介者になるんだけど、 ＼{ ハト､{/ﾄﾍ＿／厶イ／）ノ}／
, - ―r‐く_{ ゝ -- ､
それでも大幅な権力の剥奪ね。 ′ {／７ヽ ＿＿_／
i ′ /::::/ ｀寸歹 ／ |
Уﾐx/::::/ ｘｭ､ / |
/三f/::::/壬三ﾆ心、:{ 〉
{三tハ:/三三三三心‘. {
. ∨/:Y/三三三三三ﾆハ |
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
812 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:12:21 ID:MC1Dqnmk0 (20/80) [PC]
――― 君主の権力強化を目指して、さらに貴族たちの扱いにも手を付けた。
これまでの慣例では、貴族は他の公や他国に「転職」しても問題なかったのだが…
∩＿＿＿∩
| ノ ヽ/⌒)
/⌒) (ﾟ) (ﾟ) | .| モスクワ大公がウザいんで
/ / ( _●_) ミ/
.（ ヽ |∪| ／ 他の公に仕えることにするクマ〜
＼ ヽノ /
/ /
| _つ / いっそリトアニアってのもありクマｗｗｗｗｗ
| /UJ＼ ＼
| / ) )
∪ （ ＼
＼＿)
ｨ ｨ､ ノ|ｨ ,,,ィ
,､-ｰ '''' ｰ ､/|（イ（-'"ﾉノ''''"イ"''''"´"レ,､-ｰ ''''''''
/ 死 き ヽ"（ヽﾂﾂｲ,ｰｲ},,从ｯレｯｯ／ 選. 早
/ ぬ さ ',))）ヽ）ﾂ;;（从Lミﾐﾐ〉〉;/ べ く
,' べ ま lﾘﾂﾞ从ﾐミ从｀' ､;;））;;ll| // 死
l き は. |;;;;ｨノイミ从从ヽヽ"l||| ・・ に
l 男 l;;;ｲ从从从ﾞl|||从从l l;| 場
',. だ /|;;;|､ﾉ从从;;;;从从;;从ヽ 所
ヽ // /l|ﾉ）从从l| l|l||;;l|ｲｲ从从ヽ を
ﾞ' ､・・ ／;;;イﾉﾉﾉﾉﾉl||l;;;;ﾂ从;;/;;;从从｀ﾞ)ノ― ''
ノ>―''ヽ;;;;l|;;;|彡ﾉﾉｲl|;;|;;;;l;;;;;|;;;;／从;;;;）从从之
之三;;彡;;;､l|;;|;;;lイ/从ﾉ;八;|llYイノイ／;;从从ﾆ<
/イ/t=;;;;;ﾐｨ;;;;;;;;;;;｀ミ;;人ｨ''彡二二ﾐﾞ'､j;;jj;;ｭ;;;､） ――― イヴァン３世は、自分を見限って他の公についた貴族を
（（/;;|lヽ;;|､'''ｨ,t;;ｯ=､;;;j人;;;ｨ:;ﾐｯ;ラﾆ' ｲ;;;/ l|;;lﾄ
ﾞ之;;;'､l|;;ﾞ, ::､｀￣´´":|"ﾝ:::::::::'''ｲ:.. ﾘ;ｲ),r';;之ｰ 今までの慣例を破って「裏切り者」と呼んだ。
{彡;;;ヽ;;;',::::::... ::::|: ﾘ:::: ﾞ ｲ;/ノ;;;;ﾞl|
ﾞ|/;;;;;;;|ﾞ:',:::::: : : ::; ､j_, -､::: ｲ;|ﾞ/;;;l从
ノﾉ;;;;;;|:l|:', :::: : :::｀ﾞ'ｰ '´" ,':::l|/;从｀' ､
,, ､-ｰz''"ｲﾘ|l|::|l:'､ : ::::::: ,;}､ / :: ﾞl､从l|',::ヽ そして独立国と同様の分領に逃げこんでも、
''" ,､ '":/ /|::}}:::ヽ ::::::r'二ﾞﾞ'ヽ , '::: :: ::l|彡 ',从
／イ::/:: ::::/::l| }}:::::ヽ :::::..'""'' , ':::::: :: ::}::l|彡::: ll|| おかまいなしに官憲を送って逮捕した。
/"://::/ ::::ll/::::l| :}} : :::ヽ ::::.ヽ ／::::::::"} }:::|彡 ::: |||
ノ//::/ : ::::ﾐ/:::::ﾘ :}} ::｀---- '´ :::::" } }:::|彡三::|}
/:/::/: :::::/ ,,イ ::::::＼:::ｰ '´ :::" :::|彡三 l}}
//:/:: :::,' { ヽ ::ヽ ::: ::ﾘ::::彡 l}} 分領のもつ独立性など、
ｲ:/:: ::::ﾘ'ｰ､,, ヽ ＼::::',彡 /彡 ::/::::彡 l}{
l l|:::: ::| " ｀''ｰ､::ヽ､ '､ l| :/彡 ,, ､-/彡彡 ﾐ}} 彼にとっては統一国家を分断する悪習でしかなかった。
､ll､;:: :::::|::::ｰ､::::: ｀ﾞﾞ'''ｰ'､ ／ｰ―´ /彡彡彡ﾐ;;
::｀'' ､､ :::: | y'::::''" ｲ::::彡彡三ﾆ
813 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:13:02 ID:MC1Dqnmk0 (21/80) [PC]
――― こうした事情もあって、イヴァン３世は「ツァーリ」の称号を名乗ったのである。
彼が「ツァーリ」を名乗った時は、まさに分領をもつ弟たちとの抗争が深刻な時期だった。
,,､ ,,, ､,, ,, ,,,,,,,,,, ,,,,,,, ,,,,, ,,, ,,,,,,
ヽ､,,ﾒy ;;; r";;;;;;´ヽ｀;;;;;ヽ｀i;;;;;;;;;|;/;;;;;;ii;;;;;|;;,,ﾄt､t;
｀''ﾌ, ii ;;;Y/;;､;;;;;;(;;;;; ;; ;;;;;i|;;;i;;;;;;;;､t;;;;;;ii;;从､;;;;､､
ﾉノij､､;;;; ;;;t ;;;;t;t;;ノﾉ;;;;ノtt;;;､升込ﾍ､从｀;;;;;ii
,,､､､ iyi)从;;;;i r'"iiii||||iiiヽ;;t'''"iiiiiii||||i體逡;; <;;;;;｀
r" '' ､ /ﾌ-i;;;;;i:ﾝ､zﾓﾃﾃ､;;t≦;;ｰ;rﾓﾃﾁゝz'" 〉;;;;;; 貴様ら公はただの領主
't ｀ ' ､ 从;;;;;;t:::｀:::"";;;;;ﾘΞ :::::::"",,,",ノ" i;;;;;ﾘ,
ヽ, ､ 刈ii､t::::::::::::::;;; i:: :::::::::::::::'" i;;;;/ﾉ
' ､ ,,､､::''' ヽ, i;;ヽ, ;､::::::::::::;; i､__,,,_ :::: ::::: i;r"／;; 俺は全ロシアの君主！
~' ､""" :::;;; ヽ, t; ;;;｀it ::::::::ヽ､;;;~'' ::: /~r;;;;;;;;;;
,,､--､,,,,､'ヽ, '' ､, ノi; ;;;| t :: ,,ii,,,,, / |;;i;;;;;;;;;;;;
ｰ'";; ;;''''';;;; ''"ヽ;;;;;;'''"",, ヽ, ヽ;;;i ;t ''";;",｀' - /;;:::ヽﾘ;;;;;;;;;;;;,,,
;; ;; ;;" ;;; ｀t''''"" ~'' ,, ヽ,,rr"iiitt､r"t;;;i ヽ '' ;;~;; ''ｰ ,, ';;:::: "i|;;;;;;;;;ヽ""
,,r" / :::ヽ;;tヽ､,,,,,､､-'",, ヽ,ｰ-;;､iiii"ヽii;;ヽ;;ヽ r';;;; ,,r";;::::::: i|ﾚ"|;;;;ﾉ
" / ::::: i;｀''-､;;;;;;;;;;;;'":::､, t ~'' ､;;;;ii"ii:::ヽヽ,ヽ-ｰ ,､ ';;; :::: ::: |'"ヽ''';;-､､,,,,,,,,,,,,,,
/ ::: ﾉ''ｰ､;;;;;;､,,,,,,,::::::::::;; t ''"""'ヽ;;;; ""ii::;;;~~~~~~";;;;; ::::::::''" ::: |;;;;""''ヽ;;;~'- ､＝=~､''''' ｰ ､
ｿ "r '"ヽ/ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;､ '/: t '"ヽ;;;; 彡;;;;;;;::~'-､;;;;;; ;;::::'" ;;;; |､;;;;"''";;;ヽ;;;;､~''ｰ ､,>~' ､
ヽ,;;;"" ''""' ,ｿ;;;;;;;;;;;;;;;､'" r'" ヽ yii;; t;;;; 彡､;;y;;;; ::~' ､ ;;::::''" ;;;;; tヽ,､;;;; "ヽ;;;;;;;; ;;;;~ '"'z
ヽ､;;;;;;~,二フ"~~~;;;;;;;;;;;;;;;r'" ,,r" ﾘ ﾘi;;;; 彡tヽ;;y;;;; :;;ヽ;;;;;;''" |i ヽtヽ;;;; ミヽ;;;; ;; ;;;iii/;/
-､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;､ -ｰｰ - ､､-ｰｰ'" ,,,,,,,;;;;;; /;;; i;;;; 彡;t､ヽ;y;;;; ;;;ヽr''ｰ､､､､,,,,､､ ｰ''" ﾘ t;;;; ﾐ''ヽ ;;;;;;;;/;/
814 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:13:45 ID:MC1Dqnmk0 (22/80) [PC]
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
_,， - ―‐ - _
,， ´￣ ￣｀ヽ、
〃 ヽ
/ ri | ｉ{ ﾍ
/ / ｉ |{ 八 ｉ ‘， もちろん中央集権をするには、
, ′ .′ i /| ,ハ/∧ ヽ:! :. ﾎﾞﾔｰﾚ
/ i 厶斗-j/ ｊ乂 ヽ‐ !Y !| 分領を減らして貴族に忠誠を求めるだけじゃ駄目よ。
. / i j/}/ ! { / ヽ }ﾉ' ﾄ､ |八
| ﾄ､ |' y'斧ﾐx ィ斧ﾐｘ :. i| i ヽ
V ∧ :|:. ゛弋う 弋:う j「 i:{ i| |
/ :Y :. /i: 八 ､
,: ﾄ､:. ′ ,ノ}/ ｉ{ . 分領公を頼らないのなら、
iﾊ!|: |: :.ヽ ( ) ｲ / 八 }
. 八 ､ﾄ､iﾊ＞ イﾉ}ﾊ/i / ）ﾉ かわりに軍事や行政をやってくれる組織を作らないと、
ヽ{ ヽ rｉ ｀¨¨´ ﾄ､/ j/
ﾉ ｀YY´ i 旧キエフ・ルーシのように空中分解だから。
,， ´ | | 丶、
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. | Y,ｲ三.心、 ｉ:::::::::i ,ｨ升,心、i/ |
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。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
815 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:14:26 ID:MC1Dqnmk0 (23/80) [PC]
――― イヴァン３世は、併合したノヴゴロドの反モスクワ派だった貴族、
それにノヴゴロドの教会からも土地を没収した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
／ ＼
| 残念ながらボッシュートです！ |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_／
ｼｭｯ
| | | | | | | ﾁｬﾗｯﾁｬﾗｯﾁｬｰﾝ♪ﾐﾖﾖﾖｰﾝ…
＿＿＿＿＿＿＿＿.
＼ ∩＿∩ ｱｳｯ |＼
＼（；´(ェ)｀） | ＼
――― そして取り上げた大量の土地を、
「士族」として軍務や行政につくことを条件に、自分の支持者たちに与えた。
, -'""'- ､ _,.．-'''"~""~"""''''- ､
, -'"::.;;'' ;;:;: :::''"'- ､ _,..､-''"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;; ;;:;: :::''"'- ､
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,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;i；';.,,,.;
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,, ,, ,, ,, , -'", -'" ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, , -'", -'" ,, ,, ,, ,, ,, ,
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, -'", -'",, | | / /,, ,, ,, ,, , -'", -'" ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,,
, -'", -'",,_____l、_〃ヽ / ,, ,, ,, -'", -'" ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,, ,,
""'''""""/ ヽ、. |_,l ）""""'''""""'''""""'''""""'''""""'''""""'''""""'''""""'''""""'''""
""' ''"//､ ゝし' | ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" " """
Vl l. ノ--┬.| |
| | ﾉ || ||
817 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:15:10 ID:MC1Dqnmk0 (24/80) [PC]
――― 彼ら「士族」たちはモスクワ大公に土地と地位を与えられたので、
大公の命じる軍務や行政職を怠るわけにはいかなかった。
「土地のために軍務を頑張るクマ！」
. ,,,,,,,,,,,, . ,,,,,,,,,,,, . ,,,,,,,,,,,,
ﾐ,,,,,,,,,,,,ﾐ ﾐ,,,,,,,,,,,,ﾐ ﾐ,,,,,,,,,,,,ﾐ . ,,,,,,,,,,,, . ,,,,,,,,,,,,
(ﾟ(ｪ,)ﾟ ) (ﾟ(ｪ,)ﾟ ) (ﾟ(ｪ,)ﾟ ) .ﾐ,,,,,,,,,,,,ﾐ ﾐ,,,,,,,,,,,,ﾐ
＜二ニ>´ﾟ,,ミ━━Ｏﾊﾊと i:i:i━━━ __ﾊﾊと i:i:i __ﾊﾊと i:i:i (ﾟ(ｪ)ﾟ*) (ﾟ(ｪ)ﾟ*)
('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ('＿ﾟ ﾐヽ,,,ヽ〜 ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ ヽ "Ｕ´）ミ , | -|lニ) , | -|lニ)
<^||￣< <^||￣< <^||￣< <,_し｀ヽ,)_,,ヽ<,_し｀ヽ,)_,,ヽ
"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ"ﾞ"~""""~"ﾞ"ﾞ"ﾞ~"ﾞ"ﾞ~"ﾞ"ﾞ~"ﾞ""ﾞ
ﾉﾉﾉﾉヽヽ
从＾(ェ)＾从
∩＿∩ ∩＿∩ O旦旦O 「土地のために役所で働くクマ！」
（ ´(ェ)｀） （,,・(ェ)・） .| | |
__〇 ＿/￣￣￣/ （〇/￣￣￣/ )
,,|＼￣ヽ/ /＼￣ pi￣￣￣￣＼
,,|＼＼ o＝＝＝o ＼□ ＼
|＼￣￣￣￣￣ ＼￣￣￣￣￣￣＼
|＼＼ ＼ ＼
||￣￣￣￣￣￣|||￣￣￣￣￣￣||
||￣￣￣￣￣￣|||￣￣￣￣￣￣||
――― この新たな土地はおよそ300万エーカー、大阪と奈良と京都の総面積に相当する。
士族の制度は前からあったが、これほど大規模に実施されたのは初めてである。
そして彼ら新たな士族たちは、モスクワ大公の中央集権を支える土台になった。
.
818 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:15:50 ID:MC1Dqnmk0 (25/80) [PC]
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
‐ ¨¨ ＞ ､
, ＜ ／ ￣￣ ｀ ＜ ＼
,. ｘ - ヽ. ヽ
/ ヽ ､ ＼ ﾊ ﾍ
/ i ﾊﾍ ＼. ＼ﾍ
.' ､ ＼. |.i ヽ ＼_з｡_
「土地やるから」と言うけど、 l .| ﾄ､ `}.ﾄ､H‐十寸 ヽ ＼
i / | {ﾊﾍ ヽ/,< ＞云}ヶﾘ ﾊ} ヽ
この土地は一代限りで与えられるものよ。 V '. x十ヽ /' ヽVﾍ代灯.} ,ｲﾚ ヽ､ ﾍ
{ ﾊ. ´{`,>云 ｀¨´,ｲｨ ﾊﾍ .}
i | ｀ 込ﾄ`寸) """' i. M } リ
だから土地をもらった士族たちは、 ､ {ヽ＼ ＿＞"" ' , { | /}/ ﾘ
ヾ、了 ≧__込 __ ｀ ,.代i ﾊﾚ'
次の代でも土地を配布して欲しいなら {ﾊ} ｀ヽ｀ヽト{｀ ‐'ーｭﾄﾍ{. ヽ
У ﾊ ＼ ｀､ ｉ|{,､
大公に尽くして軍役や行政職を頑張るしかないわ。 { .ﾊ d､ ｀込¨}ト｡_
｢ ／ ﾊ ,＞ミト-.入 λ
| / .У ／::::::::ﾍ:＼ ヽ:`く
| ／.／:::::::::::::::::ﾍ:::ヾ,∨:.ﾍ
／ ＼ / 厶イ:::::::::::::::::::::::::}:::::ﾍ'∨:.∧.､
/ ／ ヽ , 八::::::::::::::::::::::::::::::ﾉ:::::::::i||＜ }:λ
/ / ／ ｨ /i /1 、 ﾉ / .寸:::::::::::::::::::::/::::::::::::j|:＼Y::/
/ i / ∠ﾑ/_ | // ! i
,' | i |/ ﾚ ﾄﾊ／ｲﾊ.| |
, /^ﾚ| kｨぅ卞ｚ, 乂| /ト|、 ｜
, { ｒハ |弋シ ﾘレｲ_. | `/i |
/ ヽｒ- ﾍ ! 辷癶,| / ﾘ
, |! ﾍ 、 /ﾙ 官僚制のひな形みたいなもんダナ。
/ ﾄ 、 ＼ ｒ‐ ｧ /
/ |i: : :` ｖ＼ ＿ -‐'
// i |⌒: :-［ ￣
イ | |: :/￣￣:.ヽ、
i i ! |/: : : : : : : : }
| | 人! : : : : : : : : 7
| | i i { |: : : : : : : : : 入
. ／ ､ ヽ ヽ
／ / ｜ l | ､ ヽ ﾊ
/ / / /| l,ｲ ｜l ヽ ﾊ '
// { /! |ﾊ! /,ﾊ ! i ｜ ､ヽ
i｜ l l 从ﾉ | l ｿ/!ヽjノjﾊ } ヽ＼ !
l｜ ! |/ｨ芹ﾐjﾉ /ｲﾉ ィ≠ミﾊﾉ | トヽ l
こうして生まれた大量の士族たちを管理して、 j人 l ﾊ｀弋ｿ ノ ﾄ以}ヽl ! | ヽ､
ﾌﾟﾘｶｰｽﾞ ヽﾄ､ |:: 弋ソノ ! / ﾊ ! |
専門の仕事をさせるのが「中央官庁」だけど / ｀ i ｀ / ノイ jﾉ i ﾊ
. /ｲ .ゝ ､ , ムイ ! l
,/ ! i: ＼ ,.. // ./ ﾄ !
この原型はイヴァン３世が作ったと言われているわ。. j八i ／l { ｀ｧ =r≦ ,.-'ﾄ! ／ ﾊ | }
ヽﾉ j八／{ﾉ「T7'´ |ﾊ ／i ／ jﾉjノ
,.-─ｧr‐‐'´ !l | __ j.八ノ'｀‐jノ､
ｲ i ! ／ヽ <＿＿_〃 ／⌒ヽ
／{ |:ヽ /｜ /⌒ヽヒ匸 ><: : : : :/ / }
/::::::| |::::‘， ! /／￣二ﾌ::/ ＼: :/ !
,::::::::::!, - ―‐=ミ:} | ／ ム-‐ｧ' ＿｀´ / V ,
|:::::::::{ ｀ヽ、 ／ ／⌒/,.イ´::/::ヽヽ / V |
|:::::／ , ヽ . r .イ/ : : ,::::::::::::/:::::::::＼{ V
∧/ i | / ハ !i
ｉ i /七ﾊ/ } ´ヽ 八
| | |jノ／ }ノ ○ ヽ
. 八{ i { ○ ,,, } 「大帝」ってマジパネェな。
. （＼ト ゝ,,, ＿ ノ
i ｀⌒＞- （_, ィ´
| /::Y::::ーﾟﾟ⌒:ヽ
|: /:::: |:::::::::::::::|:::::‘，
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
820 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:17:07 ID:MC1Dqnmk0 (27/80) [PC]
_,.ｙﾄｰゞｒッヽｖ,､_,.
,rk´ﾐ､''ﾅ;;爻'､ｰ;;〃彡;,.
vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､
Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ しかしノヴゴロド公国もそうだが、「昨日までは別の国」だ。
}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ,
ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ' 法体系を全土で統一する必要がある！
ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´
};lヾ;;j ￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ′
ｒ‐､ 7;;;;|', =､j,. /仆､
} ,! _ ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: ﾚ ｿ＼,.､- ' "´;;￣::
j _,!ﾉ ）"￣＞.ﾆﾄ､:＼` "'' /／／,r／:::::::_,..､''' ..,,
ﾌ ,､'-‐'ｌ"￣ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´
‐' 冫‐i '"フ:;/::;;;{! `ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/ " ヽ､. ﾘ'" ,､_,
. '",.ィ/￣_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､ (∴,､-''"
'二⊃ヾ/.:;;/ ｀ｰ-‐/Ξ/ｯ/ｒﾚヘ{ |￣| ｀''"
ｽｼﾞｪﾌﾞﾆｸ
――― 1497年…イヴァン３世はすべての領土に対して『 法令集 』を布告。
これは訴訟の規則や罰則を定めたもので、君主への反逆や陰謀は第一級の犯罪とされた。
/
,,;;ｨ,,rrrrrrrrrr､,,, /
"从从从（（;;;;ﾂﾂ;;/ ボ 法
从从;;;;;;;;;;;从从| を
ﾂﾂﾂﾂ};;;;;;;;;;;;;;;;;;| ン 守
､ﾐ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / ら
ミ;;;;;;;;iiﾘ从ノ从从;t ・ . な
;;;;;;／ ､;;iiニ;;;;;ヽ4;ヽ い
;;;ｲ" ﾏｬｧ=ｰ/ ヽ だ 奴
;;;;| ｀´'" ', ｀' ､ は
ヽ| _,,,,,'､ ~''''ｰ､
乙 "_ｯ'" ﾉノ￣
|'i ,､-〈 ,r'''}
|::t i}'´ / / /
|::::｀' ､ '､ ,r'ヽ. / ~/ /
ヽ:::::／~'-､,,ノ ﾘ ） /ｰ'/ , ' , '
｀~~;;'''''';;ｰ- ､､,,＿,| '"} ノ､,,/ / '''/,/ ――― 「決められた法による支配」
＿＿＿＿_;;;;;;;;;;;;;;;ヽ, ﾘ'~､ ｀'"ヽ:ﾚ"
::::::::::::::::::::... ~"'''ｰ ､;;ヽ "~'ｰ､ ::'ｰ …これは中央集権には欠かせない。
:::::::::::: :::::..... ~' ､'､,,j イ;;,
;;::､::-ｰ―― ｰ- ､,, ヽii ,r''" ﾂ
" ::::::::::::: :::::::.... ~'ｰヽY , "
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―''"'''''''''''''''''''''''''''''''''''''~'ｰ'"};ｦ'"
彡彡::::::::::::::: ,,,,､ﾘ;;;;/
彡彡 彡 ~'ｰ} /
821 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:17:51 ID:MC1Dqnmk0 (28/80) [PC]
ｽｼﾞｪﾌﾞﾆｸ
――― この『 法令集 』では、農民の移転がかなり制限され、後の農奴制のはしりになった。
多くの士族たちが土地を得たはいいが、そこを耕す農民は不足がちで、移転されては困るからである。
. . . . . . . . . . . . . .__,.,:::;':;';'"｀ .. . ..:.:.:;:;;':':'"´ . _.,..:''"､:.:::.:::;;:;:;';';':''':'"´. : . : . : . : . ::
. . . . . . . . ._..,...;'"´...:.:.:::.:::;;:;:';':':':'"´. . . . .,.,.;'::':"".｀""''''"´ . . . . . . : : . :
. . . . . _,;::."'..:.:.:::.:::;;:;:;:;';::':':'"´ ｀´ . . . . . . . . . . . . . . . .. . . . ,.,:::
._,. :.':"...:.:::;:;';':':::':'"´ ,, ,.,.;,;::::,:::::;''" ..:.::;':;
_.....:;;:;:;::';::':':'"´ .,_.,::;:':''"ﾞ"ﾞﾞ'..:::::.::;::;:::;:::;:;';';:::';'::'''"
｀ ´ ...:.,.._ .., . . .,;:;':"...:::::.;:;:';'"'''｀ .;:;'、;':'":'" . .
,.,:'".,:::;:':;'' . . .,.,.;'::':"".｀""''''"´ . . . . . . : : . :
';'::'''" ;､.x,,;..v､ , -─'ﾞ7´￣￣ﾊ─r‐
､v,..v､ :w爻爻爻彡v､.／ /.:: .::.／....::/ ,::'.ｿ;:::
─'ｰ;;ﾐﾞ'爻爻ﾐ;..─'ｰ ｯEk ｰ─---xw‐ーー;､x,v､;爻ミﾐ爻炎彡ﾐx;: -─: ｯEw ｰ ywv、‐ー
ﾞ':;ゞ;爻彡炎炎;ゞ;∠ ∩∩...:;~'' ,;: ; :; ::..::::y爻爻ﾐﾞ'爻ゞ炎炎彡ﾐﾒﾞ';ヾ: ;:; ';: ;:; 'ヾ淡炎ﾐﾐx:;'
'' ;~ ;＾::;”v:";y;''ﾟ ; ( ,,ﾟ) ∧___; '',;: ;:; ;~''＾"''＾”v:";v ; ::; : ;:; ;~ ;y ::; : ;:; 'ﾐﾞ': ;: ',;:; ;~'',;'':; ;
";: ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; [= 弋つ ﾟ＿) ' : ;:; ;~ ; ::; ;~'',;'' ; : ; ::; :;~'',;:; ,”v:": ;:; ';v:'';'' ;~'',;'
: ;:; ;~ ; :; ;~ ',;'' | | / / :; ~'' ,;: ; : ;: ; : ;:; ; ~'',;' ;:; 'ﾟ ":;;;: : ; : ;:
:; . ;: ; ; '', ; _____l、_〃ヽ / 'ﾟ ". . ;; : ; : ; : ;: . ; :; ;~ ; :; ;~ ',
: ; .' : / ヽ、. |_,l ） ; ' : ' ;~ ', . . . ' : '', ; ' ' ; '
//､ ゝし' |
Vl l. ノ--┬.| |
| | ﾉ || ||
――― 農民がいないなら士族が自分で耕すしかなく、これでは大公の求める勤務がこなせない。
農民の確保は単に生産だけでなく、大公の権力にもかかわる重要課題だったのだ。
.
823 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:18:32 ID:MC1Dqnmk0 (29/80) [PC]
――― なおこの農奴制もよくあるパターンで「野蛮なタタールの影響」と言われたが、
この法令ができるまで農民の移動は自由で、農奴制が完成するのは1649年…ロマノフ王朝からである。
)､.＿人＿人__,.イ.､.＿人＿人＿人＿人
＜´ タタールじゃ、タタールのせいじゃ！ ＞
⌒ v'⌒ヽr -､＿ ,r v'⌒ヽr ' ⌒ヽr ' ⌒
// // //／:: < ＿,ノ｀' 、ヽ､＿ ノ ;;;ヽ ,へ､ ／＾i //
///// /:::: （y ○）｀ヽ) ( ´（y ○） ;;| | \)｀ヽ-―ー--< 〈\ | /
// //,|::: （ ( / ヽ) ）+ ;| 7 , -- 、, --- 、 ヽ /
/ // |::: + 〉 〉|~￣￣~.|（ ( ;;;| / / ＼､i, ,ノ ヽ ヽ/ ////
/// :|:: （ (||||! i: |||! !| |) ） ;;;| | （-=・=- -=・=- ） | もちつけ
////|:::: + U | |||| !! !!||| :U ;;; ;;;| / < / ▼ ヽ > 、 タタール支配の250年の間は
////|::::: | |!!||l ll|| !! !!| | ;;;;;;|く彡彡 (_／＼__) ミミミ ヽ/ 農奴制なんか無かった
// / ヽ::::: | ! || | ||!!| ;;;;;;/⌒⌒⌒＼ （___ノ ミミ彳ﾍ
// // ゝ:::::::: : | ｀ー----−' |＿_／/ / / /⊂） ヽ-- __＿／ ＼
.
824 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:19:19 ID:MC1Dqnmk0 (30/80) [PC]
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
{777≧ｘ､__ ＿ ＿ ＿,ｘ≦77
|/////////,＞ ´ ｀ ｘ≦7//////
∨/////,〃 ∨///////
. ∨////´ ヾ'/////
∨// i| ∨/,'/ 「イヴァン大帝の頃から君主の権限強化が一気に進んだ」
ハ,′ / i !| ヾく
ｉ ′ ∧ 八i i !|
| | i| | ヽ / i| | 八 ! …これは重要なことよ。
. 八 ! i| i| | ／＼{＼ } / i |{
/ ヽ. | !| 斗‐―- ｀ ヽハ‐-ノイ 八
. ′ Y八 八 / ヽ ロシアの専制政治はしばしば
ノイ ハ ゝ=≠' ゝ=≠' 厶イ ト ゝ
| ∧ / | 「野蛮なタタール」が伝染したか、あるいは
|{ ! ! ′ / , |{
. 八 ﾄ､ ﾄ､ ヽ _ _ ｲ } ｉ ﾊ 八 「くびき」から脱するために生まれたと言われるけど、
＼{ ヽ{ ＼( ＞ ＜ﾊ}ノ)ハj／ )ノ
｀ ｢＼__／ i/´ ´
ﾉ || | モスクワ大公が専制に乗りだした15世紀の中〜後半は、
_, ´ || ー =ミ
, ´￣ {{ 八＿＿／ ｀ 、 もう「くタタールのくびき」は終わろうとしていたわ。
. ′ ＼__／:::::∧/,/ i
i /⌒7 ｀´ |
| i /::::::/ i |
... 〉// :i ､ ﾄ､ ∨‘，
.... ,' У /| :. | :|ヽ .
.... . ′ / / . :ｉ i ト､ :. i
分領を減らし、多くの公国を併合する中で . ｉ ｉ / / 、 :| | jハ:i＼:. |
... | | -/j/― '"ヽ |ヽ ￣|丈 jﾅ ‐ヽ ‘，:!
ロシア自身の都合で専制政治が生まれたってコトカ？？ | | ,/yfぢ斧ｘ ヽ{ ＼ィ斧ﾐｘ ,‘，| :!
... | {‘，| ゛弋:::ｿ ＼ 弋:::ｿ″,´ Y |
.... | ヽY:. , ﾉ / !
たしかに筋は通るけどさ、 .. | ＼:. ' /-‐' :|
.... | i ヽ __ / ｉ |
... | | ＞ ｀ イ : |
でもまったく関係ないってのは ... | | r| ｀ ‐ ´| ! | |
... | | ,: :＼_＿_／ :, | | |
それはそれで考えにくいナー。 | | ／: : :o/|:|:ｉ:o : : ＼__ | |
... ＿,，-‐=ﾆ二{: : :o:.:./ :|:|:|: : o: : :/､__￣｀ ー- ､
... /: :.iゝ‐‐=≠:': :＼: o/: : |:|:ヽ:o: ／: : : : ｀i: ―-f: ‘，
´ ⌒ ￣ ⌒ヽ｀
／ ／ ヽ ＼
／ / | ､ ＼ ＼
// / / / } ＼ ヽ ヽ
// /. / / / } 人 ヽ ヽ ‘, ﾍ
. /｜ ! ｜ { / j / ヽ ﾄ ﾊ l |ﾊ 国の制度を整えるのに、キプチャク・汗は
/. | | 斗 ナト // 斗├＼-｜ ! | ,
,’ { { /z≠ミｿ 孑≠ミﾄ} } ｜｜ 「技術面では」参考になったはずよ。
{ ‘, V/ 笊ﾊ 笊心V ' ﾘ {
| ‘, 《 弋::ソ 弋::ソ 》 / / 人､
ﾉ人ト ヽ ゝ , / / /イ ﾊ}ヽ 軍事や外交では露骨なパクリもあるし。
'´ / ｀ ＼}＼ﾊ _ 厶イj／ } ﾄｿ
. {ﾊ ヽ 个 （ ） .イ } ｜ /! ﾊj
＼ヘ＼ト､ ≧ト __... イ / /jノj／. jノ だけどそもそもの「専制的な強権が必要」という動機は
⌒ ヽト､ﾉ￣!「￣,「'¨〉ー─r‐-､
,,-r─‐≦´ -!|- / | ﾊ 領土を急激に広げだしてから
/ ! ＼ ／＼-‐/__ ﾘ }
/ ｜ ＿_ ｀´>⌒{ ＞'´::::＼ / 自分たちの都合で生まれたとみるのが自然ね。
{ |／::::::::ヽ/ |´::::::::::::::::::V |
| /::::::::::::::::::{ !::::::::::::::::::::::} ｜
| ー{::::::::::::::::::::|. |::::::::::::::::::イ| ﾘ （※注 これも複数の説がある）
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
826 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:20:29 ID:MC1Dqnmk0 (32/80) [PC]
┏―――――――――――――――――――――――――――┓
なおイヴァン３世は文化の面でも大きな功績を残している。
┗―――――――――――――――――――――――――――┛
_,.ｙﾄｰゞｒッヽｖ,､_,.
,rk´ﾐ､''ﾅ;;爻'､ｰ;;〃彡;,.
vf戈ﾊﾄｼ〈'"ﾘﾞ､ヾ､;;jﾘ､〃､ 妻と一緒にイタリア人どもがついてきたのは幸運だ。
Ｙﾒ从k;;､;;ij;;;ii;ヾ;ｯ;仆､ヾくｿ
}ｿﾘ"i!;;;;;l;;i;;､;;:;:;;:;';;;};;iﾘドｼゞ, というわけでモスクワのクレムリンに大聖堂を造る。
ﾂ;;;;;;;;;;ﾄ､;;_ﾘ;;;i!;;ﾄ;=;､t;;;ｌ;;ﾋ'
ｦ;i!､:::r',;､=;'､;"ﾘ,､=;''"ﾘ;ij´
};lヾ;;j ￣´.〃ｌﾞ￣´ ,';ｨ′ イタリア人の建築家を雇って、ロシアの建築様式に
ｒ‐､ 7;;;;|', =､j,. /仆､
} ,! _ ゞ;|:ヽ ,:ニ> /:: ﾚ ｿ＼,.､- ' "´;;￣:: 流行りのルネサンスをミックスさせるのだ。
j _,!ﾉ ）"￣＞.ﾆﾄ､:＼` "'' /／／,r／:::::::_,..､''' ..,,
ﾌ ,､'-‐'ｌ"￣ﾘ;/::;;/::} `:::｀:ー'／'∠;:／｀ﾞヽ・．‐´
‐' 冫‐i '"フ:;/::;;;{! `ｒ‐'"フ´〃ｼ:;;/ " ヽ､. ﾘ'" ,､_,
. '",.ィ/￣_:;/::;;ｲ `'ー ''／ｦﾘ/;/r'/,r─‐-､ (∴,､-''"
'二⊃ヾ/.:;;/ ｀ｰ-‐/Ξ/ｯ/ｒﾚヘ{ |￣| ｀''"
――― 世界遺産で有名なモスクワのクレムリンだが、
クレムリンは「城塞」という意味で、実は他の都市にもクレムリンがある。
.
827 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:21:04 ID:MC1Dqnmk0 (33/80) [PC]
――― イヴァン３世がモスクワのクレムリンの中に建てたもので、有名なのがウスペンスキー大聖堂である。
|＞
/ソヽ
|＿ |.
＿ /||;||￣ヽ ＿
/ﾛ:ﾛヽ |_|_ii_|＿_| /ﾛ:ﾛヽ 本当の姿を見たい人は
_| _ _| , ｌﾛ;;ﾛ;;ﾛｌ _| _ _| , ウスペンスキー大聖堂でググってね！
_ _ i ｀l´｀l´｀li .|｀‐―‐-´| i ｀l´｀l´｀li _ _
i ｀´‐|-‐―‐- |＿|--‐―‐-ｌ＿_|-‐―‐- |-｀´ i
|ﾛ _.|_|_ii_|＿i_i |ﾛ;;ﾛ;;ﾛ;;ﾛ;| i i |_|_ii_|＿i_i_ ﾛ|
| | fｰｒ‐‐ｮ iｒ｀‐‐‐ ､＿＿|＿ゞ-ｆ-ｆ-ｆ-< , |
r┘'＝'-!.i.| ＾￣ i´ ト、＿＿i ﾉ.;'ﾞ"'' =ゝ=.└ｌ
______,|_,r'';';∩､,.,,r'ﾞ';;. ii ! ii | .| ヾ.,,.;'ﾞ"'';.ﾉ.{ﾐﾄヽ |
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'"｀' ､,,..,., ,.. ''"ﾞ￣`''‐― - - - ''"""ﾞ"ﾞ" ｀ﾞ''"ﾞ`""''"''ﾞ`""''"''ﾞ`""''"''
ﾞ"` '''丶,,.,._ ,'ﾞ ,'ﾞ
｀ﾞ"`''' ､,,.,,.,,,.,,_
ﾂｧｰﾘ
――― これは生神女（聖母マリアのこと）を奉る聖堂であり、後にはロシアの歴代皇帝の戴冠式が行われた。
.
828 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:21:36 ID:MC1Dqnmk0 (34/80) [PC]
┌――――――――――――――――┐
｜ しかし家庭では悩みもあった。 ｜
└――――――――――――――――┘
,ｨ从 ハ ﾐ ﾐ､ 〃 ミ ィ彡'"´从ﾒ
从メﾐ=ｖメﾐ y ゞミξ ィ==彡'"´彡ﾐ
ミ ミ_爻 入ノ ゞﾐ ヾ ｘ彡爻ﾒ
人 ミ ゞﾐ";ｲ 从 爻､ ミ爻彡ｲ
彡 ヽ ミ 彡 从从〃 ノ;l ﾒ〃ﾐ 爻ミメ､
彡 ｀ヽメ７´彡マキ≧rﾒ从ｲr≦≠爻ﾒ
爻 三彡ミ r辷tｧｭ,;ゞ;;..::辷tｧｭ 爻ﾒ 嫁がジャヴァ・ザ・ハットなんだが
彡 〈 r｀ヽﾐ ,.;;'"´ ',::::: ﾐ´
彡 ﾍ ',λﾐ ,;;'´ ,......: 〉:: / 俺は一体どうすればいい？
. ヽヾ ヽー ､ "´ ゞ‐ ´; /
｀ミﾐ ｀‐'', "´ ,'
从ﾒ .:::ヽ ;'"⌒ヽ ,'
. ＿＿,ミ :::::::::＼ ,ゞ'";;ﾞ ,'
／三三｀ヾ .::::::::::::::::＼ ,.:::: ,'ｌ
,ィ´ヽ ｀ヽ三ニム .:::::::::::. ;, : ::｀:. ､_;;;＿,':;|
ー‐='´ー―-＼ ｀ヽニﾆ｀ヽ;:::. ﾐ .::::::::::::'"´/ﾐｰﾐ,__
｀ｰ-=ミx;:.｀ｰ=ミ｀ｰ=ミ三ニ=｀ヽ ;ﾐ ;::: ﾐ /三三/ ｀ｰ=ミ､
＿＿;;; :: ｀ヽ;; ;;:ヽ ＼三ニニ＼ﾐ ::: ﾐ {三三/ 三三二ﾆヽ
'"´￣｀ヽ､: : ヽ; ;; ＼ ｀ｰ=ミ三ﾆヽﾐ :: ﾐ {,ﾆﾆﾆ}三三三二ニﾆ=,＼
ﾉｲ: : : : / ,,-=＝ﾐヽ､ ,,=＝'ﾞﾞﾞ}: : : : : : : : : : : : : :
从 : : : f ´ ｀ヾゞ､ ｨ'ﾞﾞ´ |: : : : : : : : : : : : : :
ｉ|: : : : :| ＿,,,,,,,,,,,, ヽ:::. .::: ,,-─-,,,,､l: : : : : : : : : : : : :
l|: : : : :| ゞ=二{:::::}ﾆゝ ＜ﾞ{::::::}ﾆ≫ヾ､: : : : : : : : : : :
ﾉ: : : : : } ｀二二ﾆ／ .:: ＼ヽﾆニ''´ ヾ : : : : : : : : :
/: : : : : :l ． . .:: ::. ＝@ ヾ: : : : : : : :
/: : : : : : :|:: ／ `＼ ヾ: : : : : : :
: : : : : : : |::: / （ r､ ,ｨ､ ）ﾍ ． . : :::::l: : : : : :
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: : : : : : : |: : :: .::ﾞ ,,─‐､__,,─､ ヽ . : : :::::ﾞ､ : : : :
: : : : : : : :l: : : : :: -‐弋─----──-､ ...: : : : ::::} : : : :
: : : : : : : : l: : : : : / ｀''─---─'''´ ｀ . : : : : :::: ::::::} : : : :
829 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:22:10 ID:MC1Dqnmk0 (35/80) [PC]
――― だがイヴァン３世は、そのような理由で「君主の義務」を疎かにはしなかった。
彼は妻である東ローマ帝国の皇女ゾエ（改宗後はソフィヤ）との間に、なんと９人の子を授かった。
ｵｷﾞｬｧｰ ﾎｷﾞｬｰ ﾌﾟｷﾞｬｧｰ ｽﾔｽﾔ ﾊﾞﾌﾞﾊﾞﾌﾞ ﾀﾞｰﾀﾞｰ ﾊﾟﾌﾟｰ …… zzz…
＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿
< へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼ < へヽ＼
(( （｀Д´ソ | (( （´ο｀ソ | (( （^д^.ソ | (( （~-~ ソ | (( （｀ω´ソ | (( （’ω’ソ | (( （｀ε´ソ | (( （ﾟ〜ﾟ*ソ | (( （´э｀ソ |
/~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ /~ ￣__ イ
ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／ ヽ＿＿／
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:::::::::::::::::::::::::::::::::。::::::::::::::::::: ､ヾ《巛メtﾂｯ 孕 お::::::::::::::.::::: . ..::::::::
:::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::.. 爻从爻从爻ミ ん 前:::::::::::::::::::: ゜.::::::::::::
:. .:::::。:::........ . .::::::::::::::::: ミ巛》∬ワB彡で は:::: ::::::::::::::: .. . ..::::
:::: :::::::::.....:☆彡::::::::::::::::::: ::::: ﾐrｷ'恙''i''恙'fhﾐ :る も :::::::::::::::::: ...:: :::::
:::::::::::::::::: . . . ..: ::::: ::: ﾞ;ﾊj{￣↓￣}ﾚﾐ う::::::::::... ...::::::::::::::
::::::...゜ . .:::::::::::::::::::::::::::: ﾞ派ﾍ. '个' / (⌒)┬n、::::::::........ ..::::
:.... .... .. . ＼ﾐヾ-彳こﾆ､{_j_j」 }. ...:.... .... ..
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:（ ）ゝ （ ）ゝ（ ）ゝ（ ）ゝ 無茶ｼﾔｶﾞｯﾃ… ..........
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
.
830 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:22:54 ID:MC1Dqnmk0 (36/80) [PC]
――― 夫婦ともに頭は良かったので、気があったのか。
ひょっとすると、そもそも容姿の言い伝えが間違っているのかもしれない。
／￣￣￣￣￣＼
/ ヽ
│ ／￣￣￣＼ │
│ │ │ │
ヽ＿/ │ │
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／ ／
／ ／
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/￣ヽ
ヽ＿/
.
831 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:23:39 ID:MC1Dqnmk0 (37/80) [PC]
――― 彼女の肖像画は残っておらず、実は前回に述べた「太って醜かった」という話だけでなく
「なかなかの美人だった」という話もある。
卜､ ／i＾｝
ﾄ､_＞､ ＿＿＿＿ ／ / {/
Vi＼ >'´: : : : : : : : : : : `＜ / {V
V} >'.:. : ／ : : : : : : : ＼: : :`く {V
∨.:. : :/: : :/ : : : : : : : : ヽ: : :∨
,':.:.:.: /:. : /:/ : : ｌ: : : | : : : : : ヾ＼ ・・・・まったく、オスという生き物は
|:.:.:.: :|l: :/|: { : : j:|:. : :|: : ｌ: | : :小⌒
|:.:.:.: :|ｌ:/＜ﾊ: : ハ: :/|: /|: |:.: : リ くだらん事で話をもり上げるのう。
/|:.:.:.: :|ﾚ‐ｚ必Y j斗ｚ孑∨:.: :│
,': |.:.:/ﾞ)ｌヾ弋rｿ :! 弋rｿｲl:.: : :│
. l.:.:∨ （ | ￣ ′ ￣´ |:（ヽ八 わっちの本当の容姿が、そんなに気になるかや？
. _j／ ￣¨ﾆﾏ⌒¨¨⌒rV-┴-ゝ ヾヽ _
__／│ _ﾄ､`ー─‐一'才7 `く ＼＿
_｢￣ {__＿＿／|- 个 ､__, イヽ∧ │ |‐-- 、
-一''´ | ∨ |:.:.:. ト､ _ /.:.:.`‐ｧ┬‐-/ │ ＼
＼ ／l |:.:.:.:.l==┐ ｒ=≦《|.:.:.: :/ L∠._ / ＼
_＿＞ｰ'´ 厶 ∧:.:.:.ﾄ､ └=' │.:.:.,' / `ー'^ー-､ ヽ
二ﾆ -――ｧ¬./.:.:.:| ∧:.:.| ＼ |.:.: :| ∨ー─＜_ ＼ 〉
. /.:/.:,'.:.:.:.:.| / l:.:.| |.:.: :| | ＼ ＼ー─ ---一'´
832 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:24:18 ID:MC1Dqnmk0 (38/80) [PC]
――― そして皇女ゾエ（大公妃ソフィヤ）の場合、
容姿を不当に悪く書かれてもおかしくない理由があった。
,.ｲi
〃 !'l
,.-／/_,⊥i__
／:.:.:.／/:／:.:.:.:.ヽﾆﾆｱ
/:.:.:.:.:/:.:.:l/:./:.|:..､:.:.:V/ やれやれ…マツコデラックスから
/:./:.:./l:.:.:.ｌﾊ:.|ｌ:.|/ |l:.|:.l
l:./:.:./ l:.:.:.lｨtz､Nｌ ﾉ从ﾉl わっちに配役チェンジじゃ。
l/:.:./,;; l:.:.:l ゞ' ,ｨｧ.ﾉノ
/:.:./,;,;,; l:.:.:l ､__ >ﾊ:.:.l
／:.:./; ,∠ l:.:.:ｌ､_｀´イ ;ｌヽ:ヽ
／:.:.:.:/; /: ハ l:.:.l:i:＼ ,| ,;lヽ＼:＼ どうせ正しくは分からんのじゃ、
／:.:.／:/,;; {ノ: : :l:l:.:.l＼r弌 ,ヽ:ヽ ＼:＼
／:.:.／:.:./,ｲ / : : : ｌﾊ:.:.:ViY⌒Y ;ヽ:,＼ ＼:＼ なら読者サービスでわっちが代ろうかの。
／:／/:.:/:./ l/: : : |: /ハ:.:.Vi:l`ｰ'ヽ ;,ヽ:.:.＼ ヽ:.:ヽ
. ／:／:.〃:./_/,.. //: : : |/ｉ:ｉ:i:|:.:.:|:/:/ i: }ﾊ ,;::＼:.:.ヽ ',:.:.',
. /:.:/:.:.//:.:/{:i:i:i:i >' : : : |:ｉ:ｉ:i:i:|:l:.:|:ノ..::.Vi:i:ﾊ ,;,:.:.＼:.ヽ',:.:.',
/:.:/:.:.//:l:.l ＼i/: : : : : :ｌｉ:i:i:i:i:|:l:.:l: : : : :l:i:i:iﾊ ,;l:.ヽ:.＼: l:.:.l
/／l:.:/ l:/l:l /´: : : : : :l､i:i:i:i:/从l ' ⌒ヽi:i:i:iﾊ ;l:.:.ヽ:.:ヽVﾉ
. / l:/ ｌｌ l /: : , - :|: /三≧ﾆﾆ､ﾍ----<┬┘l:l.:.:..', ヽ:.ヽ
|l ｌl ｌ / ／: : : :|/ ＞r{〈::＼ ＼:i:i:i:i:i:ヽヽ ｌ:ｌ､:.N V:.l
ｌ ｌ r┴‐- 、 : :|./:/＾ヽ 〉､:::＼二二l´: : ヽN リ Vl
ﾉ: : : : : : ＼/::/ ｲ:/〈::::ヽ:::::＼ヽ;;;＼ ﾆ7ﾍ ※AAは勝手なイメージです
,.ｲ ／: : : : :＿: : :l :::/:::/ｌ:::|::::::::::::::::::＞ ;;;;;ヽ´ : :＼
.
833 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:24:54 ID:MC1Dqnmk0 (39/80) [PC]
――― というのも…亡命先のローマで育った大公妃ソフィヤ（皇女ゾエ）は、
テーレム
当時のロシアの宮廷の風習である「女性の隔離」には、呆れて従わなかったからだ。
Y､ﾏ｀: . ､ _ . . ----: . . .__ ,. .: ´／ｲ
ﾐ ＼:.:._.＞-: : : : : : : :‐:＜_: ／ , {
}彡: ´: : : : : : : : : : : : : : : : : :＼ﾐ: }
／／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ﾞ《 外国からの使節とな？
/:/: . . . . . . . . . . . . . : :ﾊ
/〃: : : :/: :,: : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : . .ﾞ,
/ //:.: :.:/:.:.:.|:. : : :/!;.:.:.:.:|:.: : }:.: ヽ､: : : : :|! ならわっちも謁見しようかのぉ、
/ {/:.:.:.:.:|:.:.:.∧:.:.:./ |ﾄ､:.:.:|ヽ:/八:.:}:!:.:.: : : i! 他の女御のように奥にこもっては退屈じゃ。
ﾊ:.:.:.:.:|ﾚV≧ﾄ､:{ ﾘ ､:､:| _乂ﾍﾄ从: : : : :|!
ﾄ从ﾙ!,ｨ' んうﾐ､ ヽﾄ,ｨぅ艾ヌﾘ:. : : : :|!
|:.:.: :小 ､,辷zｿ ﾏﾇ:｡ｿ'/:.: : : : ハ わっちは大公妃じゃから
|:.:.:.:. :ﾊ ´¨¨´ ｀¨¨~ ,:.:. : : : :ﾄ､ ', 格式では何の問題もないわ。
|:.:.:. : :|ﾍ ! /:.:. : : : :| ﾑ:.',
|:.:.:. : :| /ヽ ﾏVﾆﾆﾆﾞｿ ｲ:.:.:. : : : :| }:.ヽ
ﾉ!:.:.:.:. :|ゝ､ ＞,､｀ｰ--‐’ .ｨ /|:.:.:.:.:: : : | /:.:.:ﾄ＼ ﾉ
/ |:.:.:.:.:.:.|＼＼ || ｀ - ´ /ｲ/|:.: : : : : :,／}:.:.:∧ ｀ ｰ--‐ '´
ノ |:.:.:. : : | ＼ぃ /二二'/´//!:.:.: : : : :|イ:.:.:.:.:.:.:ヽ
＿＿|:.|:.:.:.: :| { |l/' / 〃 ｛:.: : : : : ﾄ､!:.:.:.:.:r=＝＝＝＝==ｭ
}==|= |:.|:.:.: : :!ｰ-<》∧ / {! !:.:.:. : : :| ヽ:.:: : |￣|￣| T＝! Τ|
ｒー―ﾍ__,メ |:.|!:.: : :|＼ ￣|i＞､/＿i|__ノ|:.:.:.:.: : :| ',:.:.: |ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ |
>=-､ ヽ__ﾒ|:.||:.:. : | ＼ |^^ﾏﾞi i! !:.:. : : : | ヽ:.:| | |｜ | i |
ゝ､-ー‐＾ｰ''! ||:.:. : l ｀{ﾛ［］┤ |! .ノ|:.:. : : : |｀ﾐ､ ' | | |｜ | l | ※AAは勝手なオメージです
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834 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:25:29 ID:MC1Dqnmk0 (40/80) [PC]
――― それどころか政治の重要なところにも口を出したので、
保守派の反感を買って太ってるだのブサイクだのと書かれた可能性もある。
_ , -､- ､_--‐,_‐ ､
t`ｰ;-､_ _ノ:::::::::＼ﾆ三ハ､:..:＼
ﾏr､: : :｀＞:'"´￣￣＼/:､い＼:..:.丶
驚いたのう… ぃ >:'´: : : : : : : : : : /:,r＾';:∨,ﾍ:..:..:..｀ヽ
／／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ. i:: V/∧:..:..{::.｝
__ ,ﾍ/ , ': : !: : : : : :i : : : : : : ヽ.l:: :ﾏv∧::.::V }_
まだキプチャク・汗などに貢納を続けていたのか？ _／:.:.｀//: :/ : , i i : : : !:!: : : :ﾄ､: : : :ｉ: : }:}//}／ ' L、
,__‐'´:.:.:.:.:.:,' ': :〃:.ｲ:;': ,ｌ: : : .i |. . . '.i. i. . . . !. . {.ﾆ7___ '/
あんなオワコン国家に臣従など情けない。 /／:.ヽ:.:.:.:.:::i ｉ: ::!ｉ|: ﾄ/ｲハ: : ﾘ!:!:.:;ｲ::川: : : :.:i: :::r'´:.:.:.:.ヽ./
,. .:'´:.:.:.:.:.::l.::::::;.ｲﾊ.:j从ｆトミ{ {､厶ﾑ/-}::ﾘ:ji: : : :::|: /:.:.:.:.:.:.:.:::}
,. .:'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:::;_j／ Y｀ヽﾍﾞ_ﾏﾘ ﾘ ｧ示=‐</｣: : : !:r'; -― ､:.::;ﾊ
. ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／ !::.|: :i ＾¨ﾉ ､ ﾏ沙'ﾉﾏ : : ,'::i〉:.:.:.:.:.:.:.:V:..:',
ぬしさまに欠けているのは ／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::∠ー-<^ヽ-‐/::.:!: : ､ ヽ ＾￣´ /: :: /_/:.:.:.:.:.:.:.:/ｲ:..:..}
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／:.､｀ヽ三ヘ:.ヽ{:::.::.',: : :＼ヽｰ-, /: ;イ´/:.:.:.:.:.:.:.:.;':::::::_ノ
力ではなく自信と勇気じゃ！ ヽ､:.:.:.:.-:一:'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾏ三∧:.i｀ヽ､ヽ: ::::{::ヽご -‐/: :{/,.V:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ{｀¨｢
｀ ‐ ::_:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.V_/_ﾊ !:..:..:..｀ヾ､::V::r' } __厶-‐`:/;:.:.:.:.:.:.:.:.:.ji::..:.ヽ
丁:ー- :__ヽV-/ﾊ:.､:..:..:,ﾍ:_いｖ' ／:;. -―‐7:ｉ:::.:.:.:.:.:.:.:.ハ:..:..:.i
l:::::::::|:::::::::￣∨/ム:..:..:.{:/:〃_＝=く:＿::..:..:i::::::::.:.:.:.:.:.: /v,'l:..:..:|
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※AAは勝手なオメージです
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|,ノ ヽ, ヽ:::::::::::::::::::::::::
|¬ ¬ i'ﾞ￣ﾞﾞﾞ`''､::::::::::::::::
| (_●_) ﾐノ ヽ ヾつ:::::::::: 女のくせにｳｾﾞｰ
| ヽノ ノ¬ ¬ i::::::::::
｛ヽ,__ ）´(_●_) ｀,ﾐ:::::::
| ヽ / ヽノ ,ノ::::::
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836 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:26:01 ID:MC1Dqnmk0 (41/80) [PC]
┌――――――――――――――――――――――┐
｜ しかし性格は間違いなく冷酷で狡猾だった。. |
└――――――――――――――――――――――┘
| | | ヽ ＼ : : : : : : : : : : : :
| | | ....／ ヽ. ヽ: : : : : : : : : : : : : : :
| | |..::::／ __,,,..-=＝ﾆ三ニ＝-..,,,_ ハ. ハ: : : : : : : : : : : : : :
| | |:／,,,,,≦三三三三三三三三三三≧ミ、 .ﾊ .ハ: : : : : : : : : : : : :
| | |壬三三ﾆ＝‐''''"´￣￣￣¨:.:ｰ=ニ三三≧:.、 .ﾊ ハ: : : : : : : : : : : : :
|｀ヾ、 |才''"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;ｨ/;:';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:＞ニ三≧､ﾊ:. ﾊ: : : : : : : : : : : :
l ＼ |:.ﾄ;.:.:.:.:.:;.:.;.:|:l.:;.:.;.:.:.:;'::: ハ:!/!.:.:.l:|.:;:.:.:.:;.:.:.:.!:ヘﾆ三ヾ::. ﾊ : : : : : : : : : : : :
l ＼|:.|:l:.:.:.:.;'!:/!|:l:.ﾄ;::､:.:l::/::ﾊﾘ::!.:.:.ｌ:|:.､:.::.:|;:.:.:|:.:.:.:.:＼ﾆﾊ:::. .ﾊ: : : : : : : : : : : :
l |:.|::!:.:..;':|;'_ﾘ∧l‐;:∨:|:: !:::|.:.:ﾑ!:ハ:i:.|ヽ:.!:.:.:.:.:.:.:.:＼|::::. .ﾊ . : : : : : : : /:::ヽ
|｀ヽ、 |..ｌ::';.:/;ィｧ=;-ミ、ﾘY:: l:/|:!/-ﾘ三从「ｌ:|:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:ﾄ;::::.. r┴ ､ . : : : : : : :l:::::::::} __
| | ｀丶」ﾘ::::ｌ:::!l'.{lｒ':O:::l}ヽ ;ヾ !' |/ィ'7¨;:ミト､ﾘ!:.:.:;i:.:.:.:.i:.:.:|':::::::. ､::::::::｀ ー-- : ._ {:::::://:::}
| | |::::::::W ゞz_:シ {l｀:O:::l}ヽl:.:.:.!|.:.:.:.:|!.:.|::::::: 人:::::::::::::::::::::::::::ヽ￣ ￣
| | ||::::::::ｌ ミ彡 ｰ`--イ '∧:.:l:|.:.:.:.:|l:.:.!::::: / ｀ー─ 7::::::::::::〉:
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| | |';:::::::!:.:.:ト、 Vニﾆ'ｰi-ｧV //l:.:.:.:.|::|:.:.:.:.|zl:.| . : : : : : : ト-- ､{_) ｰ'
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| | |ヽ:ヽ:|__:,:∨. ｀ , _,...＜:::::: ||..|:.:.:.:|::|:.:.:.:.:|＜:ﾊ ､＿＿: : : : l二ﾉ: : : .
| | |,斗'''"´｀ ＜ `ｰ-＜:::::::: : !ｌ |:.:.:.:l:::!:.:.:.:.:|'´::::ﾊ ＼::::::｀ヽト､{ヽ: : : .
| | / ,=―ー一 ｀丶 l| |:.:.:.:!::|:.:.:.:.:.!ヽ:::::ﾊ ￣}:::::〉´: : : : :.
| | 々'´ ＿_,, - ∨ ,､ｼ::ﾘ:|:.:.:.:!::|:.:.:.:.:.|:::ﾊ:::::ﾊ ヽ二..ノ: : : : : : . .
| |ｷﾞﾘｯ！/ ／ ＿__,,,,,, ∨ ,､zゞ'":::::::::::|:.:.:.:|::|:.:.:.:.:.|::::::!:::::::|: . : : : : : : : : : :.
※AAは勝手なイメージではありません
837 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:26:47 ID:MC1Dqnmk0 (42/80) [PC]
――― そもそもイヴァン３世にとって、大公妃ソフィヤ（皇女ゾエ）との結婚は「再婚」である。
前の妻マリヤは若くして死んだが、しかし孫がいた。
､ヾ《巛メtﾂｯ
爻从爻从爻ミ
ミ巛》∬ワB彡
ﾐrｷ'恙''i''恙'fhﾐ
ﾞ;ﾊj{￣↓￣}ﾚﾐ ――――┬――‐ 前妻マリヤ （若くして死亡）
ﾞ派ﾍ. '个' / (⌒)┬n、 . |
＼ﾐヾ-彳こﾆ､{_j_j」 }. | /.:::::::::::::::::::::::::::::::::.｀ヽ
. | ,:::::::::::::::::-‐::::::::::‐-:::::::}
「大帝」イヴァン３世 | {:::::::::::::::Ｎヽ八ﾉノｲ:::::/
. | ､:::::::::(l::|( ●) (●)ｲi
息子のイヴァン ――――┬―――‐ ヽ:::::八|ｰ（::::)^(:::)-八
.... （若くして死亡） ｜ ＜>x:从､ '' ｰ .イ 息子の妻エレナ
| . /.:::{ ｀/⌒ヽ_〔 ﾉ
|
|
,. -─- 、
,ﾍ.／:::::::::::::::::::::::::Y⌒ゝ
7::::::::::::::::::::::::::::::::::'⌒ヽ
{:::::::::::;ｨz'_,.ィ,ﾉjﾊゞ!ﾊ）｀
ヽ.__.ｲ ｆrﾃ Y-fh^/｝′
〈.(ﾍヽﾆ´ノ tｧﾅ′ 孫のドミトリー
. ,.≧-へ,.、_ﾆｨく
|丗〈:::ヽj__;Ll⊥;ﾍ
||:::| ヽ:〈仙´|｣>'::ﾉ
.
838 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:27:26 ID:MC1Dqnmk0 (43/80) [PC]
――― イヴァン３世は一人目の妻マリヤのことを愛していたようで、
しかも孫のドミトリーは死んだ息子の忘れ形見でもある。
__＿___
....:´:::::::::::::::::::::::..
お義父さま… /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
{:::::-‐::::::::::‐-::::::::::::::::::.
是非ともこの子を次の大公に！ 八::::ヽ八ﾉノイイ::::::::::::::}
. ｉﾄ(●) (● )|::l)::::::::/
八-(:::)^(::::)ｰ|八::::;
ヽ ▽ '' 从:ｘく＞
｀ ７'⌒ヽ }:::::ヽ
ヾ:::ヽ-‐ '´￣｀ヽ､
,-‐ヾ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ /ゝ
∠:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く
おじいちゃん大好き〜☆ ~/: : !!/!/リ＼!＼!､::::::::!
!: /ノ 、 ｀ヽ_ ヽ::::!
!/{_＞_r‐r'´＜ j. /~)
l⊃ ､_,､_, ⊂⊃_ノ
/⌒ヽヘ ゝ._） ./⌒i
＼ / :｀|￣＼ ／￣|/. /
. ヽ: ::| く|￣|つ |___/
ヽ|＿／￣＼＿|彡'
.
839 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:27:58 ID:MC1Dqnmk0 (44/80) [PC]
――― イヴァン３世はこの可愛い孫と、大公妃ソフィヤの産んだ息子と、
どちらを次のモスクワ大公に指名するか迷っていた。
_.._ ｀`､,.､-::─::-..、
／:::::::::｀:く:ﾉ:::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::: ﾍ
/:::::::::::::::::::::::ｲ::::::::::: 丶::::::::::::::::::::::::',
/::::: /:::::::::::::/ l::::::: !:::::::|＼::::::::::::::::: l
i::::: /:::::::::::::/一V:::::| :::: |ーヽ:::::::::::::::! ← 【 ヴァシーリー３世 】
|:: /:::::: /::: |ィ云∨ |V::::| ィﾃﾍヽ::::::::!イ 「大帝」イヴァン３世と大公妃ソフィヤ（皇女ゾエ）
|:/ |::: /::ﾊ::| 迂:ﾘ V| ヾ! 迂:ﾘハ::ﾄ::::::＞ の間に産まれた長男
|′|::/|:::|ﾈﾍ ｀ｰ´ ヽ ｀ｰ´ ﾊ!ﾉﾘ｀ヽ
i/ V､_ﾍ ! ﾑﾘ′
′ ヽ、 - - , ′
|ヽ イ/
,.ｲ ｀ ´ ﾊ
,.イ:! ＼ ／ ヽ..､、
,...::::´/::::::l /;⌒;ﾍ j:::::ﾍ:｀:::....、
,...::::´::::::::::/:::::::::l､ ∧;;;;;;;;;∧ /:l:::::::: ﾍ:::::::::::｀:::....、
,ィ:::::::::::::::::::::/::::::::::/!∨ ∨;;;/ ∨ l::::::::::::ﾍ:::::::::::::::::::::`::..､
i::l::::::::::::::::::::::ヽ::::::/:::! .i;;;;;;! ハ:::::::: / ::::::::::::::::::::::::/:i
l::l:::::::::::::::::::::::::::У::::::l i;;;;;;;i .,'::::::＼:/::::::::::::::::::::::::::/::::l
|:|.:.:.:.:.:.:|.:.い:⊥ |.:ﾊ: | l:| |:.|l.:.:|.:|.:.:l:.:|:|.:.|.:.:.:.:.:.:|.:|
|:|.:.:.:.:.:.:l从.:Y l八ヾ､ﾘ ﾚW ﾚ厂|从l:ｲ .:.:.:.:. |.:|
|:!:.:.:.:.:.:. l ≦ｱテ心 ｨチﾃ心≧ |.:.:.:.:.:.:.|.:|
わっちの息子ながら、 |:|:._:.:.:.:.: |ﾍ {ﾄ-じﾉi} {ﾄじ-ﾉi} ｲ､j .:.:.:.:.: |.:| _
|:f' l＝.:キ ＝¨三 `三¨＝ ≠.:.:＝.:.:l:./ }
ハンサムでしかも賢く、 . l :| :|:==.:.'. ＝ == == ＝/.:.:.== .:.:j/ /_
／|.:.| :|:.＝:.キ ＝ == j:. == ≠.:.:==.:.:.=/ / ｀ヽ
君主の威厳に満ちているのう♪ . / l:._| :'.:.:/＾7:ﾍ. t――――ｧ ｲ.:.:./.:｢｀ｌ:./ / }
r-ﾄrｰ｢ } ∨ ,' :. :. ヽ､ `ー―‐一' イ〃.:./.:.:| ﾚ′/'＾ﾄ､ _j
{ `! { ｛ / │:.:.:.: ', | ＞ __. ＜ |∨.:.:./.:.:.:.| .} / / }'´ ）
`ﾄ､{ ﾍ }./ .|.:.:.:.:.:.:∨ /.:.:./.:.:.:.:.l { {. / /tイ
l ＼ﾉじ′ :|.:.:.:.:.:.:.:.'. ＼ ／ ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.: | ヾ:Jじ'´ j/
. | ｛ j.:.:.:.:.:.:.:.:l l.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.{ /
840 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:28:30 ID:MC1Dqnmk0 (45/80) [PC]
ﾊﾉl, ''';;;,,, ,,,,,;;;;;;'''''';;;;;,,,,,,,,, ,,,,,,;;;;;;;''''''
,M ,,ノ ,∠, ,,,,;;;;'''' ''';;;;,, '''''';;;;;;,,,,,;;;;;;;;''''''
,/w | ,,ｲ´ﾞ´ﾞ /´ ,,,;;;;;''''' '''';;;;,,, '''';;; ''''';;;;;;;,,,,,,
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i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..l.:.:.:...:.:.;|i;;;;.:.:.:.:.:|从从 ;, '';,,,;';,,;''
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:. ;;.||;;; :.:.:.:.:|
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../.:.:.:.:.:.:;;ｉ;ｉ;;;;.:.:.:.:i| ・・・ああ、そうじゃの。
.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:/.:.:.:.:.:.:;;;ｉ;ｉ;;;:.:.:.:.:.i|
i/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./;;;;/; ;;::; .:;;;;;ｉ;ｉ;;;;: :. :.:i.| その通りじゃの。
//.:i.:.:.:.:.:;:.:.:.:/;;;;;/;;;;;;; . ;;;;;;ｉ;ﾊ;;;;: :.:.:i |
//..ii:.:.:.:.;;; ;; /;; -----,,,___ﾉ__i :.i |
.// // :.:.;;;;;／ __--------＿￣ヽ.:.i...| 次のモスクワ大公は、わっちの息子がなるべきじゃ！
.//.// : :;;／ ／i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i三｀ヽヽ|
|i / | :.／ ／三三三三三三三三i.i.iヽヽ あんな孫になぞ勤まるわけがない！
|i ／ ／三三三i.i.i.i.i.i.i..i.i.i.i.i.i三三i.i.ヽヽ
.|／ ／三三i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.三i.i.i.| |
――― モスクワ大公国では直系だろうと孫に継承させた例はなく、しかもこの孫ドミトリーは年少だった。
だが継承のルールがはっきり定まっていなかったので、どちらにも可能性があったのである。
.
841 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:29:07 ID:MC1Dqnmk0 (46/80) [PC]
――― さらにイヴァン３世のいささか無思慮な態度が、この誇り高い東ローマ帝国の皇女を苛立たせていた。
__＿__
,.....::::::::::::::::::::::...
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{:::::::::::::::Ｎヽ八ﾉノｲ:::::/ .┌―――――――――――┐
､:::::::::(l::|( ●) (●)ｲi ｜ 祝！初孫誕生！.ｂｙ大公 |
ヽ:::::八|ｰ（::::)^(:::)-八 └――――┬┬―――――┘
＜>x:从､ '' ▽ .イ .｜｜
. /.:::{ ｀/⌒ヽ 〔__ﾉ ｜｜
ｉ::::::| / , Ｖ｣ ､} .／壱 ／／万:／|
|::::::|' / ｀ヽ ヽ ＿.|≡≡|__|≡≡|彡|＿＿＿＿＿
l::::/ / ﾉ ノ /￣／／|≡≡|__|≡≡|／壱／／万 :／.
八' / /´ / ≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
/ / 〈 |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
. / /､＿＿＿ノ |≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡
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. i .,: : : : : ,': : : : : ,´l:://i∧!i:: .:: : :/: :i .:l:.い ,,,;;'''''';;;,,, ,,,,,;;;;''''''
. |/: : : : : i : : : : : | .|」入」!i:|:ﾊi:::/i:: :7.::j:::i::i ' '''''';;;;;,,,,;;;;''''''';;,, ,,,;;''
/: : : : : : | : : : : : lﾍｈnいヾﾄ、iﾙ.|:::/:::/,´|:| ,,,,;;;'''' '';;,, ''';;;;;;;,,,,,,,;;;'''''
. //／: : : /i : : : : : | ﾏ辷ｿ 斗-イ:://.ﾘ '';;' ';, '''';;;;;''
/ｲ´: : / ./::| : : : : : l `¨ {tｿﾊ/イ / ;, '';,,,;';,,;''
. //: : ／: /:::::l : : : : : | 〉/::::::::!
//- ´ ＜´¨￣|::::. : : ::.l─- 、 - 、´,::::::::::::! わっちが息子を出産したとき、
{/.:.:.:.:.:.:.:.:.:'´ 二l : : ::::. ::| 、::::::＼ ／!:i::::::!::i
「:.:.:.:.:.:.:／／／ﾍ: ::::: : : i::::ヽ:::::::::ヽ、:l::::::i::| 主さまからここまでの贈り物はもらっておらん。
.. ／|／.:／／／.:.:, -.＼:::. ::ﾍ:::::::＼:::::::〉::i:::::l::|
／,／.:／／／.:.:／:::, "´￣｀ヾ｀、:::::::ヽ/i::::|::::!::|
. ／;イ;:.／／／.:.:.:./:::／::::.:..:..:..:..:..:.＼:::::｀（ !::i:::::!::|
. ／-´:;. ´::;.´:;.´:.:.:.:.:/／::::.:..:.:..:..:..:..:..:..:..:.ヽ:::::::j |:::!::::!::|
842 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:29:39 ID:MC1Dqnmk0 (47/80) [PC]
: : : : :.:.i : : !: : !: :. : :| : ｉ | ||:: | {
: : : : :.:.|i: : |: : | : : : :| : | l:. ||:: | '.
: : : : : :|l: : |!: ::| : : : :| : | l:. ｆi:: | '、
: : : :.:.:.|l: : | |: :| : : : :| : | l:. !|::. {、 ヽ
: : : : :.:|l: : l ! :! : : : :| : |::i l:. ||::. |:'ヽ. ＼
: : : : :.:|l: : l | :|: : :.: :| : |::l l::. !|::. | ﾉヽ、 . ''´
: : : : :.:|l: : ! | :|: : :.: :| : |::l l:::. |１ |´ーｲヽ. ｒ―‐ '"´
: : : : :.:ﾘ : i l: |: : :.: :| : |::l l:::... ｆ１ | 厶＜:〉＿__.′
: : : : :..′:.ｌ | :!: : :.:::| : |::.:. l:::::.. lz| : |
: : : : :' : : :; !.:|: : :.:::| : |::::; ;:::::::.. ト.!:: |
: : : : ' : : ::' |:ｌ|: : :.: | : | : : ｖ:::::::. ! !:: ! ………よろしい、ならば戦争じゃ。
: : : :’: .:.:.' |: '.: : : :| : |:::::: V:::::::. ! |:: |
: : :/: : :.:′ |:∧: : :.l : |::::::: ∨:: : !‐'1: |
: :/ : : : ’ｰ- .,_.!:.∧:.:.:.|: :|::::::::. ∨:::::. | ! ! 剣は抜かぬが戦争じゃ！
:/::: : : :′i:i:i:i:i:i' : ∧ : |: :|:::::::: . ∨:::: ! |:: |
::: : : :::′ｉ:ｉ:i:i:i:i:i': : ∧: ';:::;::::::::: ∨:: : l !:: |
::: : : /i:i:i:i:i:i:i:i:i小.: : :':,∧:'.:::::::: ∨:::. | |:: |
::: : /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i∧:.: :.'､:'; '.,::::::::. ∨::::. l !:: !
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843 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:30:12 ID:MC1Dqnmk0 (48/80) [PC]
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／:／ : : : : ヽ::::ヽ.: : : : : : : : : : : : :
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i i |:::::::::::::::::::i | :|.| || |=::|＿|:i i i
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i i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｉ |,,__,|.ﾄ.,|.. | :| |:|: | |＿
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844 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:30:46 ID:MC1Dqnmk0 (49/80) [PC]
ﾊﾉl,
,M ,,ノ ,∠,
,/w | ,,ｲ´ﾞ´ﾞ /´
／..-‐┘‐ ｧ´.:.:.:.:.:./
,:: '´.:.:.:.:.:.:.:.:／.:.:.:.:.:.:.:./｀ヽ、
／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:/.:ハ.:.:.＼
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|i:..:.:.:.::l.:.:.:.:ﾞ', ドミトリー坊や、ここに居たかや。
.′ .................:.:.:.:.:.:.:.|i.:.:.:.:.:.:|i:.!.:.:.ﾞ',
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|i.:.:.:.:.:.:.|;;;|;;;;ﾞ',ﾞ', 探したぞ。
.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.|i;;.:.:.:.:.:.:|;;!;;;;ﾞ', ',
i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..l.:.:.:...:.:.;|i;;;;.:.:.:.:.:|从从
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ.:.:.:. ;;.||;;; :.:.:.:.:|
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:../.:.:.:.:.:.:;;ｉ;ｉ;;;;.:.:.:.:i|
.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:/.:.:.:.:.:.:;;;ｉ;ｉ;;;:.:.:.:.:.i| ,. -─- 、
i/ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./;;;;/; ;;::; .:;;;;;ｉ;ｉ;;;;: :. :.:i.| ,ﾍ.／:::::::::::::::::::::::::Y⌒ゝ
//.:i.:.:.:.:.:;:.:.:.:/;;;;;/;;;;;;; . ;;;;;;ｉ;ﾊ;;;;: :.:.:i | 7::::::::::::::::::::::::::::::::::'⌒ヽ
//..ii:.:.:.:.;;; ;; /;; -----,,,___ﾉ__i :.i | {:::::::::::;ｨz'_,.ィ,ﾉjﾊゞ!ﾊ）｀
.// // :.:.;;;;;／ __--------＿￣ヽ.:.i...| ヽ.__.ｲ ｆrﾃ Y-fh^/｝′ なんだい、
.//.// : :;;／ ／i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i三｀ヽヽ| 〈.(ﾍヽﾆ´ノ tｧﾅ′
|i / | :.／ ／三三三三三三三三i.i.iヽヽ . ,.≧-へ,.、_ﾆｨく ソフィヤおばさん。
|i ／ ／三三三i.i.i.i.i.i.i..i.i.i.i.i.i三三i.i.ヽヽ |丗〈:::ヽj__;Ll⊥;ﾍ
.|／ ／三三i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.i.三i.i.i.| | ||:::| ヽ:〈仙´|｣>'::ﾉ
r ､ ＿_ ,. ┐
| {ヽ＞ ´ ｀ ＜ィ} |
j〆´ ヽ〈
ｲ / ｌ | | ､ ', ハ （誰がオバサンじゃ！）
/ l | | | |､ |ヽ } ! ;
. / ｌ | ┼‐:ト l } 斗‐l :| | |
{ | | ,ﾑテミ ,ィテミ! .l |
| | | |弋zｿ 弋zｿj ｌ | いっしょにお茶でもどうかの。
| rrﾑww , ww/rr11ﾊ
ﾉｲ ! 「.i r＝＝.ｧ .ｲ l ｌｌ | ヽ ケーキもあるぞ。
/ ヽ ' ＞ﾞ､ ﾆ ".＜ .ノ ヽ
{ ＼ } { イ }
| /` /＿_∧ .V/ |
│ ./ ∧ ∧ ∨ ｌ
,| / ＼.ｲ{ ヽ _ ｲﾏ ￣ ∨ ト､
／ | / / ∧/∧ﾊ ∨ .! ＼
／ ! / .,' l////.l.ハ ', .| ヽ
/Ｌ ィ＿_| {. / ￣￣ ∧ } | ',
l { /ヽ ＿＿_.彡ﾑ. / }
| / ／＼＿／ミ､::::::::::::::::::::::＞ヽ ＿ﾉ |
| /ｲ ////////ヽ:::::::::::／//////∧ /
ﾉ ／ ///////// ∧￣//////////∧ ／
{//////////∧ ////////////}¨
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845 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:31:20 ID:MC1Dqnmk0 (50/80) [PC]
〉`ヽ
___.7ヽ ＼
_,,..-‐''",´ //ﾍヽ ヽｰ..,__
Σ´"'¬‐''" ' /'-.,_ﾍヽ ` ``､'-..,_
ﾍ 7-.,_ .::: :::::::::::"' ヽヽ､ `"'‐..,_
〉`v´::::::::: :::::. ::: .. ､ ヽ .ヽ､､
_,'"::::::::::::::::i ﾊ .ﾊﾊ i:::::i ::i i;;;ヽヽヽ. ＼'.,
-‐'".i:::i:::::ﾊ::::::ﾊ:::: i: i: .i:::::i::::::::::}::::}. i;;;;;;i: : ヽ `､`､
{:::i::::i:::::i〈:i i:::::::::乂:.ﾉ::i::i;;;;;i;.i:i:::::i :.: i;;;;:;i:::::::::ヽ. ヽヽ
.i:::i:.:.i;i::::ヽ! .i:::::::::::::,f-‐廾::::ﾘﾊ: ;.i :::::i;;;;;;λ.:::::::::ヽ､ };} _,.-'
家族が母御だけでは寂しかろ？ .iﾊﾊ:从廾ヽ.ヽ:::vﾉ乂/.iﾙ-t_ﾉ.レ1 ::::::.i;;;;;i;;;;;ヽ:::::::::::::::::.､,_二; ;´,,.-'"
.i!.!;;;;;i._rｰ-..,_ ヽ／ '",.-'"´;;;;;`'ヽi; ::::::::i;;;;;i;;;;::ヽ､;;,;::::::::::::::.:::::::::.￣´´´
..／ ／;;;;;ヽ1´r: ;;;`､ ´ 弋:::::::::ﾉｿ;;:::;;;;;; ﾘ;;;;.i;;;;;::::::ヽ;ヽ:ヽ､:::::::::::::::::::::::::,,
/{ .／,1:;;/:;:;;`､ヽ:::_:ﾉ :丶ｰ ' "};;;;;;;;;;;ﾘ;;;;;i;;;;;;;ヽ::::::::::ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,...-‐
{ヽ､,___,,,..-,'／´/;,,;;;;;;;;;;;.ヽ /// .j ... //// .i;;;;;;;;;;;i;;;;ﾉ-..,,_＿,,...-‐¬――--....=二
わっちのことを ..`"''ｰ‐'"´ /;//;;;;;;;;i;;;λ ::::: i;;;;;;;;;;;i;;;/ > ／-‐＝-..,_;;;;ヽ､::::ヽ､
// .i;;;;;;;;;;i;;;;;i ヽ､ .,__ _,,.-' /;;;;;;;;;/イ／／'" _,,.-‐'" ヽ.;;;ヽ::::::ヽ
実の姉と思って甘えてくりゃれ♪ // .i;;;;;;/i;;;;.i `ヽ､ ｀￣´ _,.ｲ´i;;;;;;;;/ｲl|_／ ‐'" }|;;;;;;;;ヽ::::::}
.// .i;;;;;/ i;;;i.|. {;;;;;;`'‐-‐'､_´|/;;;;;;//.|.|／ _, ﾉ.|};;;;;;;;ﾊ:::::}
.,'/ i;;;/ .i;;;;i.| ヽ ヽ､; `ｰ.,,.ｿ;;;;;// | | // ,,.' ./;;;;.ﾊ;;;;ｿ.ﾉ:.ｿ
/ .i:;;i .i;;;;i | .ヽ､､';;;; ./;;;;〃 | .| {;./;;;;;;;;／ ／;;;;;i;; |-‐"ノ"'-
,| i.;i .i;;;;;i | {:::::;;;;;;/;;;;;;ﾊ | .| :.y;;;;.／ "´ ;./;;ヽ;;;;;;;ヽ:::::
.| .{;i .i;;;;;i .{ ヽ;;;;/;;;;;;ハヽ | .ヽ }／ .／ ./;/;;,;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;
.{ {;i .i;;;;;i `､. .ハ､|;;;;;/;;;.ﾍﾍ__|_ .ヽ{;;;;／ j/;;;;;;;;;;;:};;;;;;;;;;;;;;;
{､ .ヽヽ.i;;;;;i .`､ ./:::::::|;;;;{;;;;;;;;{ｰ-...-_) .） .ノ/;;;;;;;;;;;;;;;};;;;;;;;;;;;;;
ヽ,＿,, .ヽ`;;;;ヽ `､ .|,/:::::{;;;;i;;;;;;;;i;;ll;;;}'"};;;;;;;;;i .／;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;;
846 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:31:52 ID:MC1Dqnmk0 (51/80) [PC]
r´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
| さあ召し上がれ、
| ホッペタ落とさぬようにな ☆
_乂＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_ノ . .., ..., ..,. .,
. '::⌒ヽ:.: ::::γ⌒)::
...::.: ::"::.ｆ; ':,:）:.:~''::
. ''::ノ::'..':::::／':::
. （' :: :: /::::
. ::`:: }
,.,.、 .,,､-‐──‐- ,,
／⌒V;';';ヽ l`''ー----一''|__
／⌒, ' （;';';';';）、 ..| |-､ヽ
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|⌒.'ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆi | |,ノ /
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848 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:33:14 ID:MC1Dqnmk0 (53/80) [PC]
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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849 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:33:45 ID:MC1Dqnmk0 (54/80) [PC]
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i::::::::::::::::::::::/八::::::::::::::::::::::::::::: ペロ…
l::::{::::::::::iヽ{＼ ＼::::::::::::::::::::::::
|:八:::::::::ゝ=＝＝=ミ:::::::::. ＼:::: こ、これは…青酸カリ !!!!!
八::::.＼/∧ /⌒＼:.刈、:::::::.＼
＼::{三i⌒: , -ﾐi|===ｒ‐-=
` =弌 ハ { ・ }j::⌒i{ }三}
人＼ ゞ....｀フ::''"⌒ヽ ﾉ厂)
＼ ┬‐=へ＞ ｰ---=彡〃 ノ
／≧^:.､ - ､ u, -‐=≦: :
/: （ ｀ヽ＞... _＿__ . イ ..-‐―‐┐
／. : : :ヽ }:::::::.｀ヾ⌒ヽ／:::::::::::::::::::/
. 〈 : : : : (⌒' |/￣/⌒ヽ ::::::::::::::::::::::::〈 : :
. У : : : ＼i / / /⌒ヽ:::::::::::::::::::}: :
/. : : : : : :ミ} ' / / , }＼:::::::::::ﾉ: :
. / : : : : : : : : { / ﾉ: : : :￣: : :
.
850 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:34:26 ID:MC1Dqnmk0 (55/80) [PC]
――― イヴァン３世が孫のドミトリーに継承させる意志を示したので、
大公妃ソフィヤはドミトリー毒殺の陰謀に加担した。
…しかし寸前で陰謀が発覚してしまう。
＿ □□ ＿ ＿＿＿､､､
／／＿ [][]／／ ,,-―''':::::::::::::::ヽヾヽ':::::/､ 誰 作 . こ
／／ ＼＼ ／／ ／::::::::::::::::::::::::::::::i l | l i:::::::ミ だ っ の
￣ ￣ ￣／ /:::::::::,,,-‐,／i/`'''￣￣￣ ｀i::;| あ. た ケ
―`―--^--､＿_ /:::::::::=ｿ / ヽ､ ／ ,,|/ っ の ｜
/f ）,fヽ,-､ ﾉ | 三 i <ニ`-, ノ /､-ﾆニ' 」'） ！！ は キ
i'/ /^~i f-iノ |三 彡 t￣ ｡` ｿ ﾊ_ﾞ'､￣｡,ﾌ | ） を
,,, l'ノ j ﾉ::i⌒ヽ;;| ￣￣ / _ヽ､￣ ﾞi ）
` '' - ／ ﾉ::| ヽミ `＿,(＿ i＼_ `i ヽ､ ∧ ∧ ∧ ∧
／／／ |:::| ( ミ / ＿＿ニ'＿＿｀i | Ｙ Ｙ Ｙ Ｙ Ｙ
,-" ,|:::ヽ ミ /-───―-`l | ／／ |
| ／／ l::::::::l＼ ||||||||||||||||||||||/ | ／／ |
/ ＿＿__.|:::::::| ､ `ー-―――┴ / ＿＿,,..-'|
/ﾞｰ､,-―'''ＸＸＸＸ `''l::,/| ｰ- ､＿＿￣＿,,-"､＿,-''XXXXX |
/XX/ XXXXXXXXXX| | ＿, /ﾉXXXXXXXXXX|
.
851 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:35:04 ID:MC1Dqnmk0 (56/80) [PC]
――― そしてこのドミトリー毒殺計画の首謀者たちは全員処刑され、
大公妃ソフィヤは厳重な監視をつけられた。
|i｀ヽ
|i | ｲﾔｰ!!
∧|i＿|
｡･ﾟ･｡∩,,∩｡･ﾟ･｡ (ﾟへﾟ||) ∩,,∩ ∩,,∩ ∩,,∩
(>(ェ)<) ( つＯ (>(ェ)<) (ﾟ(ェ)T) (ﾟ(ェ)ﾟili)
ミ三彡 | ,,）〜 ミ三彡 ミ三彡 ミ三彡
(＿__,,）〜 し｀Ｊ (＿__,,）〜 (＿__,,）〜 (＿__,,）〜
""""")... .. .. .. .. ..... . .. .(""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
|. {ニニニニニニニ }ＩＩ{ ニニニニニニニ} |
| |￣￣￣￣￣￣￣||￣￣￣￣￣￣￣| |
| | i ! ｌ ｌ || | ! ｌ i | |
| |. . .!. ...|. .. |. .. | .. ..||. . .!. ...|. .. |. .. | .. ..| |
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| ノ ヽ |: : :|: :::ｌ: : :|: : :ｌ: ::: ||: : :|: :::ｌ: : :|: : :ｌ: ::: |. _ :|_
/ ● ● |＿|: : :|: : :|: : :!: : :|: : :j|＼:|: :::ｌ: : :|: : :||＼j＿___| |─r──-､‐| |
| ( _●_) ミ ^ー'ー‐'ー'^ー'ー‐'^l lヽ`-‐ '´￣ ｀ヾゝヽ l´＼´￣￣￣￣ ＼
彡､ ,､､|∪| ,,,ノ ｼ~ ／" ｀ヽ ヽ `､l ＼ ＼
/ . ヽノ ヽ //, '///|! !‖ ヽﾊ ､_ヽ ＼ ＼ ＼
| ＿r'ﾟlﾆﾆﾆl]_ _＿＿＿/l 〃 {_{ﾉ 」」 Ｌ|lトl_ ﾘ ｌ │ |ヽ ＼ ヽ _＿ ＿__ _ヽ
fﾆﾆﾆﾆllﾆﾆ| ＼[ l===ﾆﾆl]}||||||||ll]}ｺl|====iﾆｺ ﾚ!小ｌノ ｀ヽ 从 |、i| l ほろーん |
|l_,,=-'''~ | ＼... ヽ'''ニ「_,,,l⌒l｡__｡_]三i三三iＦ ヽ|l ● ● | |ﾉﾊ ' `ー────‐'
| 〈,,/ヽ__＿）|ll [`ー' |ﾍ⊃ ､_,､_,⊂⊃j. | !ヽ
| /⌒l,､ __, イァト | //ﾊ ___
. | / /ヾ、 / ,／ ヽ/ﾊ ! , ',´;.;.,r´
|lTTTl l丶× / ヒ....;彡, ∨,、,. '";.;.;.;.ｿ
852 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:35:36 ID:MC1Dqnmk0 (57/80) [PC]
――― 普通ならここで失脚だが、しかし彼女は勝負を捨てなかった。
∧ ／‘，
,' ‘，. ,ｲ ,. ﾞ,
,ﾞ i .‘，. /:.:::ハ:.:.:',
. ,ﾞ:. |ﾞ;:::::ﾍ. /::::/ .ﾞ;::::;
. i::: ,.-ﾞ=''¨￣~¨:::::::::...... ﾞ::::;
,lイ::::::::;::::::;:::::;::::::｀:､:::::｀::､:::、
. /:;:´::::斗､:ﾊ::::l斗-x::i:::::::::ﾊ:::ﾊ
. ,::/:::::´::::Nﾞ. '､:Nヽ、:::|:::::i::::ﾊ::::::. lﾞ､
〃l/|:::ﾚ,...、 ,r＝''ヽ.|:::l::::::::}:::::::. . ,!. ',
ﾚﾚ;;;ﾍ!廴ノ 廴＿ﾉ｜!::::::::|:::::::‘、 / .}
/:::::/l ､_,_, |l:::::::::;'::::::::::乂::::: 7
. /::::::/（ ﾞl:::j _,l!::::::::ﾊ::::::::::::::::ヘ彡
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. /::::::〃.iﾞ:::::::｜ , /:::;:::::! ::::::::｀､:ﾞ:;:::::ﾄ、ﾐﾞ
{:::i::::;' !::i::::::| '彡 ,.､ﾐ. ,':::::i:::::{ :: ::::|ヽ:l:::ﾘ ヽ!
ヽj､:{ Vl:::N ､"ﾞﾞ. {::::::ﾍ:::ﾍ ､ .::| ﾞ
ﾞ .ヽ! .ｌ / ｀¨¨T.｀!ｰxﾐ､-｀-、.|
ﾍ_/ ∨.レ’ .ヽ!
.
853 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:36:20 ID:MC1Dqnmk0 (58/80) [PC]
――― 詳細はよく分かっていないが、今度は陰謀をめぐらして監視を解かせ、
しかもドミトリー親子と支持者を失脚させて、牢屋に投獄することに成功したのだ。
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||＿|| ||==||＝|:::::::::::::| l| l| || l| l| || {:::::::::::::::Ｎヽ八ﾉノｲ:::::/ {:::::::::::;ｨz'_,.ィ,ﾉjﾊゞ!ﾊ）｀
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|| || || || |:::::::::::::| l| l| || l| l| || l|ヽ:::::八o'ﾟ(::::)^(:::)ﾟo八 〈.(ﾍヽ| |ノ t| |ﾅ′o
|| || || || |:::::::::::::| l| l| || ｣ l! '' ¨ ＜>x:从､ (⌒) .イ . ,.≧-へ,.(⌒) ｨく
|| || || || |:::::::::::::|_, ｊ．- ^ /.:::{ `/⌒ヽ_〔 ﾉ |丗〈:::ヽj__;Ll⊥;ﾍ
／, :´ : : : ／;:;:;;;':/: : : : : : : : ヽ : : : : :く二ﾆZ
. ／: : : : : : ／'"´: ￣: : : : : : : : : : : :＼;;-‐;;:'"／ ニ＿|＿
. /: : : : : : ／ : : : :／:/: : : : : : : : : : : : : : :ﾏ;;'／ ﾆ !
. ,′: : : : :/: : : : : /:: : l: /: : : : : : : :ヽ: : :丶: :〈 □ |
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i: : : : : :/ : : : /:/:ｌ::::八! |: : {:: : : j:: : :|:: |:: :|:: ｌ: :| ―┬―
. ｌ: : : : .:,':: : : : l: |l::|::::|:::j/|: :,'!:: : /ｌ:: ::,':: j: : |:: j: :| | |二|二| |
j: : : : .:ｌ :: : : : l: |ﾚ∨|:‐ト|: ハ:::.:!│:/_;.ｲ:: /::/: ,′ | |＿|＿| |
,' : : /.::,'!::: : : : l: L二._Y_V｀ヽヽ{ 匕W ﾚｲ::/} / . ￣￣￣
{￣ ∨: : /.::/::|::: : : : l: |l代ぅ:歹￣` 弋歹＾ｱ/:ｲ／
l:::::::├＜.::/:::,'|::: : : : l: | ¨¨＾ `¨ ,':: : | ヽ マ
ｌ:::::::∧::::::::｀ヽ:|::: : : : l: | 〉 :::: : :| ﾌ |二|二|
'::::::::::::}::::::::::::: `ｌ: : : : l: ﾄ､ 、 _, ｲ::: : : :! . ） !‐‐!‐┤
:::::::::::,' ::::::::::::::: |: : : : ｌ: | 丶、 ￣ . 个:!::: : : :| ＾ー―――
::::::: /::::::::::::::::::::|: : : : ｌ: | /ヽ､_, ｨ升=､| :ｌ:::: : :│
ヽ／::::::::::::::::::::∧: : : :l: | ハ/ ∨ヽ ｝:ｌ::::.: : :| | /￣ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::∧:: : l: |＞rK ヽ＿／⌒V!.:ｌ::::.: : :| ﾚ' |
:::: ::::::::::::::::::::::::::: ∧:: ｌ: |／∨ 〕 ｀＼ /j :j::::.: : :ｌ ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∧ l: | 厂＼ ∨V.:,':::.: : / ￣
854 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:36:52 ID:MC1Dqnmk0 (59/80) [PC]
――― 投獄されてから何年か後、母エレナも孫のドミトリーも獄死した。
／ || || || ,／ .|| |; : " ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ;:ﾞ: ;";ﾞ|; ; :: : :;: ;": :"#
| |l || ||,／|| || || |; ::ﾞ .:; : ;:ﾞ: :; ; ; : ;:ﾞ: ;": :; ﾞ; |: : ;; |＼ :: ﾞ::
| |l ||,／|| || || || | ; : ;:ﾞ:# ;": :; ; : ;:ﾞ: ;": :; | :: | ||.＼ ; ;"
| |l／.|| || || || || |; : " ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ;:ﾞ: ;"ﾞ;| ;; " .| || || ＼ ;
／..|| || || || || || | ;;: ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ;:ﾞ: ;": :; ﾞ|;; ; ﾞ ＼ || || |
| || || || || || || || |; ::ﾞ .:; : ;:ﾞ: :; ; ; : ;:ﾞ: ;": :; ﾞ; |: : ; ; ": ＼.|| |;
| || || || || || || || |; : ;:ﾞ: ;": :;: ;": :; ; ;:: .: " ;; ﾞ:::| :: ; ::; .; ﾞ＼! :
| || || || |ﾚ|| || || | ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ;:ﾞ: ;": :; # |;;";;ﾞ ;; " :: ; ::
| || || |ﾚ|ﾚ|| || || | ;;: ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ;:ﾞ: ;": :; ﾞ| :: ;: :;: ;": :; ; ;
| || |ﾚ|ﾚ||_|| || || |;; : " ; : ;:ﾞ: ;": :; ; : ": :; ﾞ; |:: :;: :: ;
| |ﾚ|ﾚ||_|| || || || | ;;: ; ,; ;:ﾞ: ;": :; ; : ; ;": :; | : :;: ;": :
ﾚ|ﾚ||_|| || || || || ￣￣￣￣￣￣￣,r‐ ､￣￣￣￣￣￣＼ : ;": :;
ﾚ||_|| || || || || z'Zr─〜''''彡￣￣⌒ミーv─ -ｔｆ'.ｚ ＼: :;: ; ;; ":
|_|| || || || || ￣｀'''''─ﾑ／'⌒' ⌒ヽ_＞''' ￣￣ ＼: :;:: :; ;
／ 彡、 ﾉﾉ:::
／ _,;彡'´⌒(´ ﾐ}:::
＿／ ﾌ:::: Y ヽ:::
(⌒こ))≧::: jfう》:::
￣:::::::::: (_ノ::::::
|:.ﾄ;.:.:.:.:.:;.:.;.:|:l.:;.:.;.:.:.:;'::: ハ:!/!.:.:.l:|.:;:.:.:.:;.:.:.:.!:ヘﾆ三ヾ::. ﾊ
|:.|:l:.:.:.:.;'!:/!|:l:.ﾄ;::､:.:l::/::ﾊﾘ::!.:.:.ｌ:|:.､:.::.:|;:.:.:|:.:.:.:.:＼ﾆﾊ:::. .ﾊ
|:.|::!:.:..;':|;'_ﾘ∧l‐;:∨:|:: !:::|.:.:ﾑ!:ハ:i:.|ヽ:.!:.:.:.:.:.:.:.:＼|::::. .ﾊ
|..ｌ::';.:/;ィｧ=;-ミ、ﾘY:: l:/|:!/-ﾘ三从「ｌ:|:.:.:.:;:.:.:.:.:.:.:ﾄ;::::.. .〉
|ﾘ::::ｌ:::!l'.{lｒ':O:::l}ヽ ;ヾ !' |/ィ'7¨;:ミト､ﾘ!:.:.:;i:.:.:.:.i:.:.:|':::::::. ./
|::::::::W ゞz_:シ ::::::::::::::::::::: {l｀:O:::l}ヽl:.:.:.!|.:.:.:.:|!.:.|::::::: /
||::::::::ｌ ミ彡 ::::::::::::::: ｰ`--イ '∧:.:l:|.:.:.:.:|l:.:.!::::: /
|!:::::::::! ; ミ彡 ∧:.:.:l:|:.:.:.:.||:.:|:::: ,ｲ
|::::::::/i i ﾘ.:.:.:.ｌ::!:.:.:.:l:|::.|／
|';::::::|:.ヽ ./:.:.:.:.:!::!:.:.:.:|::!:.|
|';:::::::!:.:.:ト、 ヽ―‐,- .//l:.:.:.:.|::|:.:.:.:.|zl:.|
|:ヽ::::ｌ:.:.:∨＼ ￣ イ:|:| |:.:.:.:l:::!:.:.:.:.!≧∨
|ヽ:ヽ:|__:,:∨. ｀ , _,...＜:::::: ||..|:.:.:.:|::|:.:.:.:.:|＜:ﾊ
|,斗'''"´｀ ＜ `ｰ-＜:::::::: : !ｌ |:.:.:.:l:::!:.:.:.:.:|'´::::ﾊ
/ ,=―ー一 ｀丶 l| |:.:.:.:!::|:.:.:.:.:.!ヽ:::::ﾊ
々'´ ＿_,, - ∨ ,､ｼ::ﾘ:|:.:.:.:!::|:.:.:.:.:.|:::ﾊ:::::ﾊ
./ ／ ＿__,,,,,, ∨ ,､zゞ'":::::::::::|:.:.:.:|::|:.:.:.:.:.|::::::!:::::::|
｀´ヽ
――― 飢えて死んだとも、暴行を加えられての結果だとも言われている。
こうして大公妃ソフィヤは、自分の息子を次の後継者にすることに成功した。
856 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:37:25 ID:MC1Dqnmk0 (60/80) [PC]
┌――――――――――――――――――――――┐
｜ なおこの継承争いには、教会も噛んでいた。 .｜
└――――――――――――――――――――――┘
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l::::::::::::i::::| l_,,.-'" i /| | | i''- ､;;;;;!
l:::::::::::,.-'" //!/i |i ! i.ﾉ|i i | :ヽ、
l:::,イ | i,,i-H!‐i.|''i| /_.| i! ! i .:.:ﾞi
i´ | , i| |.:.|_,,.i!-r|､ ヽ __//ﾞ| | | .:.i.| 大公妃ソフィヤ様、
| ! | !| |.:|!i-';;;;i ﾞ i-';;!ヽ|/! ! .:| !
| i |!.:.i | i i|! ﾞ''''''" ヾ- '/| | i.:.:|i !
| | i| .:.i |i ﾞi､i､ , ,'i i/ﾚ'i i i! ご子息の大公位継承を祝福させて頂きます。
|i. i i .:.:i.:|i iヾ:､ ､ __ ,ｲ| /:/i//
ﾉ| ﾞ､ﾞ､.:.:､i''i ﾞ､ヽ、 ,. '":i| / |//
|､ ヽ､.:/ !､:ﾞ､ ﾞ'' - -i":i:i::|::||!.:. | |
| ﾞ､ __,.ﾉ┴,､ﾞ､ﾞ､ |:.i:::::i:i::.:|:l.:.i: |.:|
i >'_ ニニヽ､;ﾞ､ﾞ､-ヾ|i::::|:i､:|.:|､:! ﾞ､i r´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
/ ／ ヽヽヾ､ﾞ''-i i:|i::||i.:i.:ヽ, ﾞ､! | いやいや、
,'/ ヽヽi:i､;;;;;;ﾞヽ､i:| |i､ヾ､ ﾞ､ | ぬしらには世話になったのう♪
/ ヽﾞi:|ﾞ､;;;;;;;;;;;ﾉ/!:::i::ﾞ､､ ＼ 丶＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
.
857 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:38:25 ID:MC1Dqnmk0 (61/80) [PC]
_ , -､- ､_--‐,_‐ ､
t`ｰ;-､_ _ノ:::::::::＼ﾆ三ハ､:..:＼
ﾏr､: : :｀＞:'"´￣￣＼/:､い＼:..:.丶
ドミトリーの母エレナは正教徒ではなく、 ぃ >:'´: : : : : : : : : : /:,r＾';:∨,ﾍ:..:..:..｀ヽ
／／: : : : : : : : : : : : : ｀ヽ. i:: V/∧:..:..{::.｝
異端である「ユダヤ派」じゃった。 __ ,ﾍ/ , ': : !: : : : : :i : : : : : : ヽ.l:: :ﾏv∧::.::V }_
_／:.:.｀//: :/ : , i i : : : !:!: : : :ﾄ､: : : :ｉ: : }:}//}／ ' L、
,__‐'´:.:.:.:.:.:,' ': :〃:.ｲ:;': ,ｌ: : : .i |. . . '.i. i. . . . !. . {.ﾆ7___ '/
/／:.ヽ:.:.:.:.:::i ｉ: ::!ｉ|: ﾄ/ｲハ: : ﾘ!:!:.:;ｲ::川: : : :.:i: :::r'´:.:.:.:.ヽ./
大公さまはその「異端」を ,. .:'´:.:.:.:.:.::l.::::::;.ｲﾊ.:j从ｆトミ{ {､厶ﾑ/-}::ﾘ:ji: : : :::|: /:.:.:.:.:.:.:.:::}
,. .:'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:::;_j／ Y｀ヽﾍﾞ_ﾏﾘ ﾘ ｧ示=‐</｣: : : !:r'; -― ､:.::;ﾊ
割と寛大に扱っていたのう… . ／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／ !::.|: :i ＾¨ﾉ ､ ﾏ沙'ﾉﾏ : : ,'::i〉:.:.:.:.:.:.:.:V:..:',
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::∠ー-<^ヽ-‐/::.:!: : ､ ヽ ＾￣´ /: :: /_/:.:.:.:.:.:.:.:/ｲ:..:..}
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::／:.､｀ヽ三ヘ:.ヽ{:::.::.',: : :＼ヽｰ-, /: ;イ´/:.:.:.:.:.:.:.:.;':::::::_ノ
ヽ､:.:.:.:.-:一:'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾏ三∧:.i｀ヽ､ヽ: ::::{::ヽご -‐/: :{/,.V:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ{｀¨｢
その理由、 ｀ ‐ ::_:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.V_/_ﾊ !:..:..:..｀ヾ､::V::r' } __厶-‐`:/;:.:.:.:.:.:.:.:.:.ji::..:.ヽ
丁:ー- :__ヽV-/ﾊ:.､:..:..:,ﾍ:_いｖ' ／:;. -―‐7:ｉ:::.:.:.:.:.:.:.:.ハ:..:..:.i
ぬしらなら理解できるじゃろ？ l:::::::::|:::::::::￣∨/ム:..:..:.{:/:〃_＝=く:＿::..:..:i::::::::.:.:.:.:.:.: /v,'l:..:..:|
!::::::::ｉ|:::::::::ｉ:::::::ﾏﾆ7i＼:¬_{辷':::.:::.: ﾘ:::.::}:../i|:::::::::.:.::／:/}/l:..:..l
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858 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:39:02 ID:MC1Dqnmk0 (62/80) [PC]
､i､_ ､!､
`i.ヽ,｀ヽ､ |.,ﾍ＼
.| ; ﾍ: : ｀ヽ＿_j .; ﾍ: :ヽ
.|; ,,>':'´: : : : : | ; ﾍ: : :ヽヽ､
,!"´: : : : : : : : : ヽ､. ﾍ: : : : ヽヽ､
.／: : : : :/: : : : : : : : : :＼ ﾍ: : : : : i: :ヽ
/::/: : : ,〃: : : : : : : :ヽ: : : :ヽi : : : : : : : :ヽ
「ユダヤ派」は教会が広い領地を持つことを ./i :{ : : :/ll.|: :i : : : :| : : :l : : : : : i : : : : : : : : i
〃: i ､: ﾊ:ハ: i､: : : l: : : :|: : : : : : i : : : : : : : : i
批判しておったからの ☆ i! ! : !ヽ!! ! ｀-ヽ从A , : ||: : : : : : :i : : : : : : : :|
.ヽλヽ ､ ｀!ﾙ'| : : : : : : :|: : : : : : : :|
}'}‐=i .j,,,___,，｀ j : : : : i : : :| : : : : : : l
わっちの夫はノヴゴロドの教会から j::| < ￣´ | : : : : l : : | : : : : : :/
i:::! ｀,._ |: : : : :l : : |: : : : : :/
容赦なく領地を没収したが、 i::::::｀i､＼7¬フ |: : : : l : :/: : :/ : /
i::::::::|;;;ヽ､ __,,,.-‐¬ : : : /: :/:/ : i : /
!:::::::|;;;;;l;;;;;;;;;} / : : : /: イ: :| : i :/|
モスクワの教会からも没収する気だったのは /｀ヽ､i;;;;l;;;;;;;;;;}.ﾉ : : ／_'＿l : :l__L/_|
'-､ ヽ;l;;;;;;/ : ／ ￣＿__￣｀`丶､｀`‐､
もう明らかじゃ♪ / ｀ヽ､ } {／ _,-‐'" ＿_￣`ヽ､ ｀＼ !､
./ .丶__i j/ / ／´ ￣￣｀`ヽ､ `､
| { ||￣｀ll-i '" ｀ヽ､ ,}
| ｀7}ｰi--|!_! l ｀
| ／i i ﾊ l |
| / i l l .| .| |
※「異端」のユダヤ派とはユダヤ教徒ではないが、旧約聖書を用いること、時にイエスを人の子とし、
三位一体説も批判することから「ユダヤ派」と呼ばれていた。
859 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:39:34 ID:MC1Dqnmk0 (63/80) [PC]
/:.:/{:.:.:.:.:i /:.:./l:.:.:.:/l:.:.:.:/ |:.:.:.|:.:.:.:.:l .:.:.:.:.:| :.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:i
,:. / ,.:.:.: . |{:.:./-|:.≠┼:./ 八:⊥:.___|:.:.ｌ:.:.:.| :.:.:.:.:.:.:.ｌ:.:.:.:.:.:.:|
{〃 i: : :.:. /Y ,」:｛_ |:/ {´ }从ハ人:.|:.､ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
ｌ{' r ､: : :.:/ lｨf斧＝ミヽ. _ _ {___｝ :.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.:.|
ヾ | |: : / /|∧{じ: :r'｝ ｨf竓＝ミ、,:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:|
エレナの息子ドミトリーが大公位につけば | |／ /:.:} ,辷z歹 .: {じ: : r'｝ﾊ:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:|
|r' ／￣.二ﾌ'' '' '' / ,辷z歹./:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.: : |
ちょっと困ったことになっていたの？ . ヽ { ｛´ ::.. i '' '' '' /:.:.:.:.:.:.:.:/::::i:.:.:.:.:.:.:. |
. | ｀ヽ∧ ､ _＿_ _, /:.:.:.:.:.:.:.:/::::: |:.:.:.:.:.: : |
,｀ヽ ｀ヽ /:.:.:.:.:.:.:.:/::::: : |:.:.:.:.:.: : |
i:.:.:.:.:＼ :. く:.:.:.:.:.:.:.:/::::::::::∧:.:.:.:.: : |
でも安心せりゃれ、わっちも息子も .|:.:.:.:.:.:.:.:>、 }ﾄ､＿ ィ ´￣ ＞､/::::::::: / ∧:.:.:.:.:.:|
|:．＜ } .从ヽ:::／ ＼:::::/::/::∧:.:.:.:.:.
教会が支持してくれた事を忘れぬゆえな。 .斤t===tt====tt=彡/ ∨ /、:::/::∧:.:.:.:.:ヽ
｛:::| |:::::::::| |::::::::::| |::: / / / ＼:/:::::}:.:.:.:.:.:.:＼
/|::| |:::::::::| |::::::::::| |::/ ., ／ ノ .∨:::|:.:.:.ﾄ､:.:. : ＼
. /ハ￣￣￣￣￣￣/／, ／ ∨:.:.:. |:.:.＼:.:.:.:.:ヽ
//:.:.:} ／ .／ | ／ ∨: : |:.:.:.:.:}ヽ:.:.:.:.:.:.、
｛{:.:.:.:.| ／ ｛r‐ .Уイ ____ / :.:.:.|:.:.:./:.:.:.}:.:.:.:.:.:.}
860 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:40:06 ID:MC1Dqnmk0 (64/80) [PC]
l;;:l i;;:::::└ｰ┐ ┌ー┘:::::;;;! l;;;;ヽ
l;;:l i;;::::::::::::::::| |:::::::::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
l;;:l i;:::::::::::;;;;;l＿_!;;;;;:::::::::::;;;;! l;;;;;;;| おっしゃる事がよく分かりません。
l;;| i;;_;;ｧｱ'/ﾞ`ﾞ'''""ヾﾐ丶､;! l;;;;;;;;l
ﾞｙ''7 /;'ｲl _!l .! !`〈;;;;;;;;|
,;' ;'.!,.iｲ'l"!｀ ´ !l｀!|､;';:ヽ;;;l ですが我ら正教会は、異端の女の息子が
. ;;' i .|'l .|ヾ_ﾞ __ﾘｿiﾉﾘ.: : Y
. ,;l l .::!iﾞ;ｬ''"ﾞ` "￣ヾ;';'ﾄ､; ,:! モスクワ大公になるなど看過できません。
,:' .l!l ::{ﾊ ﾞ､"" , """;'';: lﾘ' ;.:}
ﾞ､';.:!ﾐゝ ､_ ,,. ;ﾑ' !;',';'ﾊ
ﾒ!|ヽ';:,`;.､ _,.、 ,,.ｨ'",;' j',';'ｲ.! ﾞ､ そうならずにすんだ事を喜ぶのみです。
,'ハ'; ';:.';,';::|ｼ./.j''´'"!,;';';,',;'' .;. '; `
/,',:i_ヾ,jｨ-ｒy././;`ﾊ ''y',',';＿ﾊ ::',
/´.:｀i l;::::リ,' j .ﾚ ,' ;'ノ';','';;;;;;;;'',ゝ､;
,'!. ::l |;;:::;;| ' i'''i',',';;;;;;;;;;l i .:}
ﾉ:l ::! !;::::;;! ﾉ:::i; {;;;;;;;;;;i l ..::!
――― イヴァン３世は教会から領地を没収するチャンスを探していたが、これでは諦めるしかなかった。
.
861 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:40:44 ID:MC1Dqnmk0 (65/80) [PC]
――― 当時の教会は様々な方法で、
世襲領地の没収を狙うイヴァン３世から、自分たちの利益を守ろうとした。
|::::::::| |::::::::┌ー ー┐::::| |::!
. |::::::::| |:::::::└ーi ┌ー’::::| |::!
|::::::::| |::::::::::::::::| !::::::::::::::i l::|
. |::::::::| |:::::::::::::::Ｌ.,」::::::::::::::| !:! ロシアの皆さん…
. |:::_;;;| |;､-r┬ｧ'T'j''''1┬;!_|:|
l'' i|j_,.//‐'/ lTト l､l j｀i
. l ,､. li //___ ﾘ_lﾉ lル' l 君主に服従することは必要です。
l ヾ! l v'´￣ , ´￣`イｸ !
. ﾊヽ ﾄ､ '''' ｒ==┐ '''' /l jﾊ| でもそれは神のしもべと呼べる君主の時です。
,ﾚ'¨´ヽiへ. _ ､__,ﾉ ,.イ/|/ |
/{ ⌒ゝ_/ } ｰ‐＜!Lｿ ,'i !
//ﾄ､ ,/'´／､ 〈､__,ﾘ:::::!| ｀ヽ|ﾉ 君主が 『 忌むべき無信仰と涜心の行為 』
. // ! {ヾ､ﾊ ヽ Y｀f~´::::::::::v l
,'ｲ. //|ｌ､ { ヽ_ゾﾉ::::::､ー､:::ヽ | を行うのなら…
. 〃 .,'/./|ｌヽ｀¨´ ヾ､::::__ゝ ヽ_::}!
〃 iｲ /,'.|i::ヽ.ヽ､_//∠_ _ノ !
. {{ !ｌ .!｛ ::|i:::} ! ｉ;;＿/ //. ! 『 このようなツァーリや公には服従する必要はない 』 ！！
ヾ {i. ヾ､jj二ニｒ┴-- ｀ｰヾ'⌒ .|
. ` .ヾ 〃/ ﾏ二 }＿,ﾉ
//:;' i !ｰ 一 '´l~::.
,','::/ ヽi !:::::::::| i:::::::.ヽ
―――――――― 領民に対する一揆の煽動や、
.
862 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:41:24 ID:MC1Dqnmk0 (66/80) [PC]
. | |:::::::.:.:.:.:.:.!､;;,丿..........|. |
. ！ |:::::.:.:.:.:.:.:┌¬.............| |
. ,,:┤ l::::::.:┌ー┘ └┐......ｌ |
. ｨ'.:.:.:.:! |:::::::.└ー┐ ┌┘.....| !
!::::::::::! !::::::::.:.:.:.:.:.:| ｌ............l ! 教会の財産を没収しようと企て、
. |:::::::::::ｌ .|::::::::.:.:.:.:.:.:|.__」............! ｌ
!:::::::::::ｌ |::::::＿;;;;;;;;;;;;;;;＿::::::|.:.:| 教会を侮辱しようとする者たちは神に呪われ、
!;::::;;;;;;> ※ｱﾒ､_ .//ﾉ/,ｸ7ｧ┤
Y´| ; |. |〃、_,,ﾆ''〃//､／ﾊ: !'
. ｌ:.l .::'λ !"`＝''" ゞ='',{:.l 『 無慈悲な刑罰 』 が与えられるでしょう。
l:.| ,:〃.!:.ﾞ､""" ，"" ,!;.|
!:.ｌ; /'ゝ!､:ヽ ,.. .ノ!ｌ:.l
. l:.:|〃!|:.ｌゞヾ＞=┬-;＜´|:. !|:.l 聖者ステファンは教会を侮辱した者を打ちすえて、
. |:.:!/ｌ｛ {::.:..｀ヾ;､.__ﾞｰπi､:.!;'|:.!.|
!;:!l::!::ｌ!ﾊ;::::. ヽﾞ､￣´_ヾｌ |,'ﾉlﾘ| その者は生きながら腐って７週間後に死にました。
ﾘｨ'l|:::|l:!::{ﾞ､:::. ヽ!::.ヽ ヽ＼'.:,|: !
ハ! lﾊi|:l::ヽヽ::.:. ﾞ､::.┘└ﾉ:ﾉ:丿
： ∩＿＿∩ ：
： /ノ ヽ ：
： /|||| ◯ ||||| ◯ | ：
： | ( _●_) ミ
： 彡､ ∪ |∪| /"￣ﾞﾞﾞ`つ ：
： / ＿＿ ヽノ;ノ ヽ(￣ﾉ ：
： (＿＿＿） ;○ ○ ￣ i ：
： | i (_●_)Ｕミノ ：
| ／＼ (￣￣￣ ) ) ： ｶﾞｸｶﾞｸ
| / .) ￣{￣￣ （ ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
∪ （ く ゝヽ ）◯
＼_（＿（＿＿＿つ
――――――― 信仰心に訴えての「神罰」による脅しである。
.
863 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:41:58 ID:MC1Dqnmk0 (67/80) [PC]
＿ __
, -'´.:.:.:.:.:.:.:.｀ ＼
／:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ_
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ﾊ
r´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゞ､
i(ｒ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,､_ﾂ､::.:.:.:.:.:.:.:ヽ 息子よ、どう思う？
ゝ:.:.:.:.:.:.:ヽ､__ﾌル'_,- ､' ､:.:.:.:.:.:.:.:} ,
ﾐ彡:.:.:.ﾐゞｰヽﾋｰ'´_=≠ﾐ ヾ.:.:ﾐ:.:.く
ｰ,:.:.:.ヾ,_,ﾍﾊ`ー´`ｰ'´ ',:.l'ﾍ:.ゝ 俺の後継者としての意見を聞こうか。
ﾙ:.:ﾚ r‐ｨｯ{ ﾞ' ￣￣ |ﾘ !:.ﾄ
ヾ:.ﾍ `´/ﾋ.ｰ=ｧ ﾄ_ノ:.:i!
ヾﾍ ﾞ`ｧ＿ || ',:.:.)
｀ﾍ. i'´二 ｀ ,ｲl i:.ｿ
ゝ､ ∠ /l li ＞ ､.. _
ilヘ ＿ ｲl/ //l ||lミﾐ ､ヾ､≧ー─ー=＝ュ
／ﾍ三_ ﾆ __ i/// l |/i三ﾐﾐ ､ゝﾐ三三二 ／
_ ... -≠イ ∨/､_,_,. 丶`ｰV// ,|/∧ ∨ﾐ,､ ｀ゝﾐ,ｨﾁ´ｪ.._
ﾋｰ='' ´ 彡ｼ´ ﾐ∨ﾉ ..ィﾍ:: ＼`ヾ`､ ｲ ', ∨彡,ｨﾁ´三ニニ≧ ＿ ,y;
_ -‐= ≧=ｭ。.._≠ｲ ,ｲﾐV,ゝ'´ rｲﾊ.: ヾ ` ｀ｰ､ニ_＝V三≧x＜_三三三三ﾐ;;ゞ/
∠´ 〈///////三ニ≧ｭミミ/::;: .:::ゞ､ﾍ:: r = ´, ｨ`x.{三＝ 三二ﾆ ＜∨彡;;ゞ´ヽ
( ＿ ＿＿｀＝≡≧…丁三シ ;;: ..::::::｀"ゝ､ _ /,'´ ／:.... -=≧ｰ--､三三(_) ﾉ/彡ﾞﾞ゛'; ',
冫￣ |≧≠二三≫ｲ´ ;;:.,, :::::::／ヾ i::./:::::::,´:...／::...／´ ンー-く--〃__ j }
865 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:42:31 ID:MC1Dqnmk0 (68/80) [PC]
￣ヽ､
_ ,-─ ､,〉ゝ−-::... 、
,..::´:::::ヽ:::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::`＼_
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
, ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::.／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ｌ
モスクワ大公の権力強化をすすめるのに l::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
|/|:::::::::::::/:::::::::::::::::ﾊ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ｌ
こいつら邪魔だわ。 |::::::::::::::::::::::::_:::/ ｌ:::::::::::::::::::|＼:::::::::::::::::::::::::::ｌ:::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::/≧､ｌ:::::::::::::::::::| ＼斗::::::::::::::::ｌ:::::::::ｌ
|:::::::::|:::::::::/l::/ｲ⌒ﾞ`ﾒ::::::|＼::ｌィ千代`:::::|:::::::::ｌ:::::l〉ﾘ
|::::::::/|:: / ﾘ弋､ _ﾉｌ ヽ| ヽﾚ; __ｿ ｌ j|人:::::::ｌ:::::|
神罰が下るかどうか、 |::::/ |:::fzlｌ ＾ー‐'´ ＾ ‐-'´ jｌノ:::::l::l::て
|/ ヽ.:::|ﾍ /ィ<"j ﾒ_／
ちょっと見せてもらおうぜ。 ゝ;八 ; /ｲ
x > ､ ｰ ｰ ｲゝ:::｀＞-､
〆::::;//ﾊ` 、 <´/ ｌ）:::}:::::::::::::::` ､
／/:::::// ＼ ｀‘´ / /::::7::::::::::::::::::::ﾊ::l
ﾉ::::/::::::《〈 ヽ／ﾍヽ ／ /::::/::::::::::::::::::::::/::::l
r'ﾆﾆニ二二二ﾆﾆﾆ､ヽ
| | .＠ | |
ｒー┤| |├､
| | | Π | | |
l l l lﾆ コ .| | |
| l l |_| | | |
l＿＿l_l＿＿＿＿＿＿|_|__| っ
| / ,ｲ,へ 丶､ ﾍ
| ,' / /／ ＼| ＼ ﾄ､ ヽ ', つ
!j./l / ` ヽﾄ､ヽ }
. | | .!/.! ○ ○ l l |ヽ,' ⊃
l | | .l/////////////! | !.|
.| ! | ﾄ､ ,-ｰ¬ .ｨ| .| l
| l ! l l` r --.' ＜j ,' | |
| .l ', l |ｬ-ミ≡彳ｧﾄｲ ,'! !
.| | ヽ| | l r´ ）/ハy / | ',
867 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:43:17 ID:MC1Dqnmk0 (69/80) [PC]
――― しかし煽動でも神罰による脅しでも君主は屈服せず、財産を守るために譲歩するしかなかった。
r;ニニﾆﾆﾆﾆヽ
, ,--―| |:::::::::::::＠:::::::||
, ☆ |:::::::::::| |::::::::::::Π::::::::|| ..。
, + |::::::::::| |::::::::!ﾆ ﾆ!::::||
|;;;;;;;;;;|_|;;;;;;;;;;;;|_|;;;;;;;;|| + 『 ツァーリは本性から見ればすべての人間に似ている。
+ .. + _.､| | |ィｹﾘﾉ |ト｝!l| 。. ★ ☆
★ ﾐｼ ヽ . | ﾚｧ予 伝yﾘ|'''} +
ヽ ヽ| 《｛_丿 Lｊﾊj| / . .. ★ 統治者として見れば、いと高き神に似ている。』
..| ヽノ＼''' r‐ｧ｀,ツ/. + .。
｜ .＼ ヽＴ云'I｢j /.
｜| .Ｎヽ ヾ=弋./
从 |、 ﾊ. |.ｌ:::Π:|
.｀ヽVﾘ'j=|.|lﾆ ｺl . +
☆ .. / //::| |::| . ☆
〈{ //::::Ll::|
l;;:l i;;:::::└ｰ┐ ┌ー┘:::::;;;! l;;;;ヽ
l;;:l i;;::::::::::::::::| |:::::::::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
l;;:l i;:::::::::::;;;;;l＿_!;;;;;:::::::::::;;;;! l;;;;;;;|
l;;| i;;_;;ｧｱ'/ﾞ`ﾞ'''""ヾﾐ丶､;! l;;;;;;;;l モスクワ大公は 『 全ルーシの専制者にして君主 』
ﾞｙ''7 /;'ｲl _!l .! !`〈;;;;;;;;|
,;' ;'.!,.iｲ'l"!｀ ´ !l｀!|､;';:ヽ;;;l
. ;;' i .|'l .|ヾ_ﾞ __ﾘｿiﾉﾘ.: : Y いにしえの聖人たちは、君主がたとえ正しくないことをしても、
. ,;l l .::!iﾞ;ｬ''"ﾞ` "￣ヾ;';'ﾄ､; ,:!
,:' .l!l ::{ﾊ ﾞ､"" , """;'';: lﾘ' ;.:} 君主と争うような真似はせずに、
ﾞ､';.:!ﾐゝ. u ､_ ,,. ;ﾑ' !;',';'ﾊ
ﾒ!|ヽ';:,`;.､ _,.、 ,,.ｨ'",;' j',';'ｲ.! ﾞ､
,'ハ'; ';:.';,';::|ｼ./.j''´'"!,;';';,',;'' .;. '; ` 『 柔和と謙遜と涙をもってツァーリのために祈ったのである。』
/,',:i_ヾ,jｨ-ｒy././;`ﾊ ''y',',';＿ﾊ ::',
/´.:｀i l;::::リ,' j .ﾚ ,' ;'ノ';','';;;;;;;;'',ゝ､;
,'!. ::l |;;:::;;| ' i'''i',',';;;;;;;;;;l i .:}
ﾉ:l ::! !;::::;;! ﾉ:::i; {;;;;;;;;;;i l ..::!
869 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:44:19 ID:MC1Dqnmk0 (70/80) [PC]
-─ ､ , -──- ､
, - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ
/: : /: /: ::::::|:::/ .V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
いいコト言うじゃねえか♪ |: :/: /: :/:::::|/ _ノ .V| ヾ:::::::| ∨::i::::::::::::::::::}
ﾚ.|:.::::|:::i:::::/| ､ﾊi ＼::::|｀^ｰV::ﾄ::::::::::::::::ヽ
. |::::::|:::l::/|::i ヾ| Vﾊ::::::::::::::::ﾊ
教会の領地は魅力的だけど、 |::::::|:::K .V ≡≡′ `≡≡' .ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
|::::∧:r-､ i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
大公の専制政治を正当化してくれるのなら |::/ |:|ﾚヽ 丶 レｲ/'ﾘ::::::＞
ヾ. | ヽ∧ ､ r‐ム::ﾊ／
そうしてもらう方がいい。 V:::/ ヽ､ ｰ､―‐ノ ／'´
ヾi }＞ ￣ イ
| ｀ - ´_ -┴┐
個人的には世話にもなったしな。 r‐'V/￣ /::＼
/ /:::::入 ./::::::::::|""＼
／:/ /:::::::::::∧ /::::::::::::|::::::::::::" - ､
／/:::::|V∧::::::/ ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
／:::/:::::::| /:=:::i /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
/:::::::::|::::::::| /::/::::| /:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::
――― こうして「正教会はモスクワ大公の専制権力を支持する。」「モスクワ大公は正教会を保護する。」
…という関係ができあがったのである。
.
870 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:45:08 ID:MC1Dqnmk0 (71/80) [PC]
――― しかし西欧でも宗教改革やイエズス会の誕生があったように、正教会の内部でも抗議の運動があった。
_ ＿
, ..´::／ __
_／:::::::::￣::::::::｀丶
／::::::::::::::::::::::__ ― ､:::::::ヽ
, '::::::::::::::::::::::／ ,r'⌒ヽ＼:::::ヽ
/::::::::::::::_ - ´ !ゞイ;;;;;! ｀ｰヽ, 『 他人の労働から強奪によって集められた 』
!:::::_ -‐ ゝ三-' |
ﾄ‐´ __ -‐､T´ﾊ ､￣｀ ｰ- .._! すべての財産は、修道僧にとっては
l _ - ´:/ｰ--ヾ;::| |:lヽ;:::ﾄ､:::::i:::l
ヽ／:::::::,- :! ,.'⌒ ､ ﾘ '´ ,rヾﾄi::::ﾉ;ﾘ 『 死を招来する毒物 』 よ、自分で畑を耕しなさい。
|:::i:::::（ ゝﾉ;;） ! i.ﾉ;;! |く '´
|:::i:::::::::i ｰ.､ ｀ ´ ___, ｀´ /:::ヽ
|:::i::::::::::::r‐ _ゝ _ ,.-∠_:ヽ:::ヽ
／＼ |:::i:::::::::::::l : : :￣: ｰ｀二ト-_ /´,ヽ,;､＼)⌒ヽ. 異端のユダヤ派のことも、権力者の力を借りて
/:::::::::::ソ::__..-.:´￣:｀:ｰ:- :､_: : : :__:ﾄ､Ｖ / |::ヽ:_::）:::::!
!､:::::::::::::,::| : : : : : : : : : : : : : : ￣ : : : ゝ´Y ヽ::::::::::::::l 刑罰を与えるのは良くないわ。
|:::｀:ｰ ' ´:::!:／ ￣ ￣ ｀ ー-,.､_: : : _: ;／ヽ ＼_:ノ
ヽ::::::::::::::／ , ／ ￣ !＼ ／ ヽ.
｀ー / ／ヽ'´ /: : :｀ゝ l 聖書にも「人を裁くな、自分が裁かれないために」
! く: : : :ヽ _ __＿ l: :i : : : i｀ ｰ'
,＼ ＼ : : Y´ ￣ ｀i : ! : : : | と書いてあるでしょ？
／: : : ＼_ __,, ノ ＼/ー ‐- -- - ‐j､: :! : : ﾊ
/: : : : : : : :＼ ヽ ＼ / !: ',: : : :l
――― 彼らは「非保有派」あるいは「清廉派」と呼ばれた。
.
871 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:46:05 ID:MC1Dqnmk0 (72/80) [PC]
|::::::::::::::| |:::::::└ーーi ┌ー’:::::|
|::::::::::::::| |:::::::::::::::::::::| !::::::::::::::i
. |:::::::::::::::| |:::::::::::::::::::Ｌ.,,,,」:::::::::::::::|
. |::::::::::_;;;| |;､-r┬ｧ;T'j''''1t┬i､;;;;! ／ しかし正教はロシア人のアイデンティティーであり
l;;-''"l:.:.:.iｲ"/',j_ |i |:i′ l|｀`|:|:i;.i ／
|:.:.:.:.:.|:.:.:|',,ｨ=ﾗミi' |i' ,,|i=ﾐ,||:.|;.l ,.-'´ ロシア国家の土台でもあるのです！
|:.:.:.;.=|:.:.|ｲlf::::`1 /′ i:`| l}ﾘ:.|!:| _,.､、 ´
|:.:.:.iゞ|:.:.ﾄ､ゞ:;;;ﾘ |;ﾘ/'.i':.l|:.| ,..-'7⌒ヾ.、.
|:.:.:.`ヾ!:.:| ￣ ´ ,,. _ '`´ ﾉ:i;|:ﾑ;-‐'" ,ﾄ､:;:;:;:;!| 教会はロシアで社会的責任を果たすべきであり、
|:.:.:.:.:.;.ﾞi:.:iヽ､.,,_ 〈 /_, イ|i"i':;:;i'[Play] | i;:;:;:;:l|
l:.:.:i:.:.|:.`､|:.:.:.:,j｀`Ｔ｣"i':.:i:.|i||, l;:;:;|.☆ l, ,l;:;:;:;j'|. そのためには経済の基盤が必要なのです！
|:,:.|:.:.|:.:.:ヾ:.:,ﾄヽ;‐ `ヾ|;.:,|:i|i:!`‐ﾄ=;ｭ;‐- ､ ヾ､:;:;〃
l;.|:|!:.:|!:.:.;|i;.:! ヾ,＿,iﾄヾ;|'ﾘ 〈 ,必`'i ｀`'＝″
!ﾄ||;.i||;.:.i|i;|;`、 ヾ::::::::`､＼ ,};|{こ, 〉 ヽ､ あと異端に対しては言い争う必要などなく、
ヾ'ヾ{`､|' `'ヾ|; i':::::::::｣, /'′l;:;:;:}′ ＼
`' ﾄ, l;:::::::::::i ／`′ `丶､ 必要なのは火刑か絞首刑である！
/:::i, l､:::::::::l‐'′ ＼
,/::::::::l; `､:::::::`、
,ﾍ､;;::::::::〉 l:::::::;､'ヽ,
くん' /｀ｊ､;| ﾞﾏﾍ,ゞi
/ ｀~`ヾ<,iゞ,.._.;.,ﾉ~ | ※肝心の大公がノリ気でないので、処刑は滅多になかった
872 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:46:37 ID:MC1Dqnmk0 (73/80) [PC]
_ ＿
, ..´::／ __
_／:::::::::￣::::::::｀丶
／::::::::::::::::::::::__ ― ､:::::::ヽ
, '::::::::::::::::::::::／ ,r'⌒ヽ＼:::::ヽ
/::::::::::::::_ - ´ !ゞイ;;;;;! ｀ｰヽ,
!:::::_ -‐ ゝ三-' |
ﾄ‐´ __ -‐､T´ﾊ ､￣｀ ｰ- .._!
l _ - ´:/______,ヾ;::| |:lヽ;:::ﾄ､:::::i:::l あーそう、言うだけ無駄だとは思ったけど。
ヽ／:::::::,- :! _______ ﾘ '´,____ヾﾄi::::ﾉ;ﾘ
|:::i:::::（ ゝﾉ;;） !, i.ﾉ;;! |く '´
|:::i:::::::::i ｰ.､ ｀ ´ ｀´ /:::ヽ 私たちは世俗の腐敗や騒動なんか相手にせず
|:::i::::::::::::r‐ _ゝ _ ⌒,.-∠_:ヽ:::ヽ
／＼ |:::i:::::::::::::l : : :￣: ｰ｀二ト-_ /´,ヽ,;､＼)⌒ヽ. 森で静かに神の道に生きるから。
/:::::::::::ソ::__..-.:´￣:｀:ｰ:- :､_: : : :__:ﾄ､Ｖ / |::ヽ:_::）:::::!
!､:::::::::::::,::| : : : : : : : : : : : : : : ￣ : : : ゝ´Y ヽ::::::::::::::l
|:::｀:ｰ ' ´:::!:／ ￣ ￣ ｀ ー-,.､_: : : _: ;／ヽ ＼_:ノ
ヽ::::::::::::::／ , ／ ￣ !＼ ／ ヽ.
｀ー / ／ヽ'´ /: : :｀ゝ l
! く: : : :ヽ _ __＿ l: :i : : : i｀ ｰ'
,＼ ＼ : : Y´ ￣ ｀i : ! : : : |
／: : : ＼_ __,, ノ ＼/ー ‐- -- - ‐j､: :! : : ﾊ
/: : : : : : : :＼ ヽ ＼ / !: ',: : : :l
――― しかし「非保有派」はグループをなさず、積極的で喧嘩上等な改革者でもなかったため、
結局はマイナーな存在で終わってしまった。
.
873 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:47:09 ID:MC1Dqnmk0 (74/80) [PC]
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
／ ＼ ＼
/ ＼ ＼
/ | |i ヽ ヽ ヽ
|／ .| .| | | i ﾊ | |i
だけど君主に屈服し専制権力を支持しても、 ／ | | ﾊ i | | ﾊ | ﾊ |i
/. , | | | | V ﾊ. | | i | ヽ＼. |
教会も無傷ではすまなかったの。 | | .i | i| ﾊ | |// ﾄ. | |ﾊ ﾊ i ト ＼|
| ﾊ | i ﾅi十|ﾆﾒ | Xヾﾆﾉニﾘﾅ /-| |ﾊ |｀
V | | | |ｭﾘ__|ｪｨVノ ヾVｨｭﾉ__V__. | ﾊ | |
|ﾊ |ﾄﾊ｀ゞﾟ=ｿ ´ゞ=ﾟｿ /ﾞ | ノ ﾘ ヽ
あと半世紀ほどしたら、 ! ＼| ヾ| ::::::::: , :::::::::: ﾉ ／ ﾊ＼
/ ﾊ :::::: ::::::::: ノ7 ﾉ | | ヽ
「雷帝」イヴァン４世によって |ﾊ ＼ ｒ,、 ／|::| /. /|: /ハ|ヾ|ﾘ
|| l .|:::｀ト、｀´ ／ ,ｲ|.ｲ/ ／ ﾉﾘ
いくつかの特権を奪われるのよ。 ヾヾﾊ |丶:::::/｀ト-＜´／ |. |ﾊi/
ｒー--、i============ｲ|｀||^´ﾞ ﾊ.
／ .ー―-| |! || ＼
。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。。o ﾟ〇ﾟ o。
874 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:47:41 ID:MC1Dqnmk0 (75/80) [PC]
┌―――――――――――――――――――――――――――┐
｜ そして1505年…「大帝」イヴァン３世は寿命で亡くなった。 .｜
└―――――――――――――――――――――――――――┘
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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:::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::.. 爻从爻从爻ミ ん れ:::::::::::::::::::: ゜.::::::::::::
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... ..:（ ）ゝ （ ）ゝ（ ）ゝ（ ）ゝ 大帝に敬礼！ ..........
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三三 三三 三三 三三
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875 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:48:13 ID:MC1Dqnmk0 (76/80) [PC]
――― 晩年は継承者争いといった失政もあったが、
領土拡大だけでなく中央集権に向けて「統一国家ロシア」の基盤を築いた名君だった。
/l| ヽ ／|／/／/ ,,,､ィ＿_
,､- ｰァ ,､-ｰｧ ／ ﾚ'） ,,,､ ／| ／ ∠ 7" ,,,, 〈
／l| /|ﾚ'" / ／ /／ / /／／ノ j ハ /／'ｧ ／ / ,r´ ノ フ
／| （ （ | | |/ｲ ﾞ" "／/ " ´ ノ/ l| " ／ ／ ﾌ ﾞイ) ,､ '´
/ ヽ| ﾞヽ シ彡シ "" / ,/| ∠ ∠ ,､-}_ ,､-'
,､（ ﾞ'ｰ- ｰミミ''''"ミ､ ﾐ三彡彡 ,､",ノ／ / ／ ／ フ ∠´
こ,,,,, 'ｰ､ ヽ;;;从" liiヽ ヽ ､ ヽ ミ'ｰ､ミ､彡ｰ'彡 ノイ/ r''" ∠ ／ ,,ィ
,､-"､ ミｰ､こ＝シﾞﾐミﾞ""ii从 ﾊ;;ヽヽﾐlll|lll ）ミ |ll|彡彡'∠,/ ／ ﾉ ,＞ ｨ,,､-''"／
＼ ミﾐ 二ﾝイ⌒｀l､,l|､､,,,,,ﾞﾐヽﾐﾐll|l|jj''} j}ﾘ...//'''､彡- /／" /／,ィｰ'"_,ｨ ／
ltヽ､ 三= ､シｼ々::ﾉ;;ﾐﾐ≧ｯﾐ从／,,,ノi l|_,从ｯｯｯﾂ彡= /" /,,''" ,､ィ／ ＞
|ヽ ､ 三彡ﾞ' /''''ｬ';;;>-t丐'''')ヽ::人::.ヽr't弓'-､彡}ミ '''＜ ,､ '"'",､ｦ" ﾚ" ／
ヽ' ､ﾐ ､こﾝ' / '''''"""´´´／ , 'ヽヽ｀ﾞﾞ"''''ﾞﾞ ',ミ ''ヽﾞ ／ ／ ﾌ ,r､／
(ヽ（::(ｰミ三 ミシ ,ｲ} ''"::::::::::''"::::::y':r'}:::ゝ〉::::: lﾐ ミﾞ'' '/／|/ / / ,ｲ､ '"７
（｀''-:::::::::: （"" 彡彡'"l| :::ｨ::::::::::: ::::''"｀''''ﾞ;;'､｀':::" | (" |/ / > /ｰ'_,, ｨ ／
/::::::::::::::::ヽ､＞ｰ''', ｨｨ 〈 :::::'" :::'" ..:;;ｯｯ;_ ﾘミヽ / / ／",,,イ ／,/
マ:::::::::::::::::､之,ｧ /ii''ｷ:: '､ ''" ::::: ,､''"-ｰｰ...ヽ |）l /ﾉ_/／,ｨ'´／ﾚ'／ ,,ｨ
＞:::::::::::::､之''"| l|(:::ノﾞ''ﾐ ::::::::::::::;､ '"":::ヽ j _j // ﾉ. ｲ／ ,／ ｨ'" / ,,ィ
（:::::::::::::::::::｀ﾞ'''ﾌ入'ｰ '" ）, :::::::::;r'´ ;;;;;;;;;;;;; |ミ） |/ |／ ） ,/,／|/ /,r''／
rｰ ､ ヲ;;:::::::::::::ノﾉ ｀ﾞ''ｧｰ';;;;ヽ...:::::: : : : ::::::::::::: : : ;;;;;;;;;;;;;;; ﾘ､;Y ,,､- ''"ﾌ/ .」 ﾌ //ｨ''"／
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876 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:48:47 ID:MC1Dqnmk0 (77/80) [PC]
――― この「大帝」の治世でロシア各地の公国はあらかた併合された。
残りはリャザン公国とプスコフ共和国の２つのみで、しかも実質はすでにモスクワの属国である。
-─ ､ , -──- ､
, - ─｀＜::::::::::::::::::::::::ヽ
／::::::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::::::::｀- ､
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:.:.:.:.:.::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/: : : : : : ::::i: ::::ﾊ:: :::::::: : :::ﾄ:::::::: : i: : :::::::::::ヽ 偉大だった親父…あとは俺が継ぐぜ。
/: : /: /: ::::::|::::/ V::ﾄ::::::: :::| ＼::: :V: : :::::::::::|
|: :/: /: :/:::::|∠─ V| ヾ:::::::|￣ V:::::i:::::::::::::::::}
ﾚ.|:.::::|:::i:::::/:/ .､ﾊi ＼:::ﾚｨ--V::ﾄ::::::::::::::::ヽ
.|::::::|:::l::/|::ﾚｲ飛ゝ ヾ| 'ｊ及ｧVﾊ::::::::::::::::ﾊ この国は俺がさらに大きくしてみせる。
|::::::|:::K .V 辻 tｊ} 弋 ｿ ' ﾊ::::::::::::ﾄ;;ゝ
|::::∧:r-､ ゞ- '´ ￣ i .ﾋ V:ﾊ::::i::＞
|::/ |:|ﾚヽ i レｲ/'ﾘ::::::＞
ヾ. | ヽ∧ ＿ r‐ム::ﾊ／
V:::/ ヽ､ ／'´
ヾi }＞ , イ
| ｀ - ´_ -┴┐ 【 モスクワ大公 ヴァシーリー３世 （在位1505 - 1533）】
r‐'V/￣ /::＼
/ /:::::入 ./::::::::::|""＼ イヴァン３世の長男、君主としては有能
／:/ /:::::::::::∧ /::::::::::::|::::::::::::" - ､
／/:::::|V∧::::::/ ＼/::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
／:::/:::::::| /:=:::i /::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::
/:::::::::|::::::::| /::/::::| /:::::::::::::::::/::::/:::::::::::::::::
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|＼
[|[|| To Be Continued... >
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|／
877 ：夢茶 ◆CJKYxwcPjQ [↓] ：2012/06/10(日) 16:49:19 ID:MC1Dqnmk0 (78/80) [PC]
|/// | ヽ
. / ∨′ i }|
′ |＼ 八-‐
i 、斗-‐＼ / } ＼ | ′
|/＼{ ＼ イ , ｘ=ミ, l| l| 、 あるえ？？
ｉ | ,.斗=ミ ＼}/ ん:(_ 刈 l|⌒＼
| 、 | 个ｰ::(_, 乂ツ ､ |
| ＼ | 乂__ツ ' , , |ハ }
| Y ＼ ゝ , , ﾚ' }ノ 前回の次回予告の場面が
. }| | 、勹__ l
八 八 ｰ- .. _ -‐＜_厂 人 まったく無かったゾ？？
＼ ＼ ＼: . ／ ﾟ｡
＼ ＼ ヽ: ＞ _ ／
. ＼ ＼ ｢: : : : ‐- {＿ i
＼ ＼ |__: : : : : : : : : : :}＼ |
＼ У ｀ 、 : : : : ｡|: : ﾟ｡ |
ヽ/ ￣￣｀ :′: :ｰ-｡_l: : :く |
／{: : : : : : : : : : : : : : : : 、: : ＼
／ /: : :/｝: : : : : : : : : :}}: : :＼: : : ＼ r´￣￣￣￣￣￣￣￣￣｀ヽ
／ ／: __彡′ : : : : : : : : ﾘ: : : : :__｢{__ : ＼ | 予定は未定よ、
＼ ／ }: : : : : : : : : : : : : :/ : ／: : : : ー :ヘ: : : ヽ | 次回でやるから！
ー =彡 ／: : : : : : : : : : : : : : ／{: : : : : : : : : : : :} : : : } 丶＿＿＿＿＿＿＿＿＿_乂_
{ ｛.: : : : : : : : : : : : : :／: : :|: : : : : : : : : : :/: : : /
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＿＿
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∨//////////＞ ´￣￣ ヽ´￣￣｀ ＜///////
∨////// ／ ＼ ///
∨////, ' } ＼′ というわけで、今回は「大帝」イヴァン３世まででした。
∨//,/ / / ｀ヽ
∨./ /／ ハ ＼ ヽ ',
V ／ / ', :| ＼ :| | ロシアの専制君主は孫のイヴァン４世からですが、
´￣/￣メ jﾉ⌒丶ヽ :| |
,′ /／/′ ＼| | 専制政治を目指した土台作りはイヴァン３世からです。
}ｉ /! ｘ＝= =＝ミ /、｀ヽ丿
八 ,/Ｖ ひ 、｢ヽ ひ,′:} |
／ .:＼ /:乂} 〈ヽ ｉ l / ／ ＼
V ｀ーﾍ ＼＼⌒:| | /!/ ト＼ 次回は誠ｼﾈ…じゃなくヴァシーリー３世を語ります。
./ / ＞ {＼＼! ', { |: ハ ,
{ハハ／)/ ,. ´ ⊂ニニニﾆ ∨ |/ jノ
,. ´ ＼ ／ ト . 父が「大帝」なので目立ちませんが、
/ ＼ ヽ／／､ } /}
/ ヽ 〈／/＿ヽ ,′/ ′ 彼も専制政治の土台作りに取り組みますので。
{ ＼ ／ ∨///ﾊ} /￣|/
', ＼／ ,////,／| ／ :|
／/∧ ///// :ｌ／ :| では次回まで…Zzzz…
’， /////∧ ,////∧￣ :|
――――――――――――――――― 第７話 「 ヴァシーリー３世 」
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※ここまでの参考資料
世界歴史大系「ロシア史」@
「ロシア皇帝歴代誌」
地図で読む世界の歴史「ロシア」
「ロシアとモンゴル―中世ロシアへのモンゴルの衝撃」
世界の歴史11「ビザンツとスラヴ」
「ロシア教会史」
興亡の世界史14「ロシア・ロマノフ王朝の大地」
講座スラブの世界B「スラブの歴史」
世界各国史22「ロシア史」
世界の教科書シリーズ31「ロシアの歴史 上 ― 古代から19世紀前半まで」
「パックス・モンゴリカ」
「モンゴル帝国の戦い―騎馬民族の世界制覇」
「戦争学」
…あとネット。書籍はほとんど図書館から借りてますので記憶ｱﾔﾌﾔです（・ｗ・）